車が故障した時の移動方法は誰もが知っておくべきだろう。そんな話を社内でしていたところ、2024年2月に警視庁警備部災害対策課が公式Xに投稿した “目からウロコの対処法” を知った。

どんな内容かというと……ギアをニュートラルに入れた後、クルマのボディーを押すのではなく「直接手でタイヤを回すことでより軽い力で動かすことができる」というもの。タイヤを直接回すだと!? 本当なのか確かめてみた。

・タイヤを押した方がスムーズ

もう1度内容を確認しておくと、警視庁警備部災害対策課が公式Xに投稿によると、故障した車を楽に移動させる方法は……

「ギアをニュートラルに入れ、サイドブレーキを外します。車のボディーを押すのではなく、直接手でタイヤを回すことにより軽い力で動かすことができます。ちなみに前輪でも後輪でもOKです」

とのこと。ニュートラル(N)とは、エンジンとトランスミッション(変速ギア)がつながっていない状態のこと。もちろんアクセルを踏んでも車は動かない。

つまり車はタイヤのついた箱状態なので、坂道で停車してニュートラルにすると車は坂を下っていく。故障時にけん引してもらう時や手で押すときはニュートラルにするのだ。



・運転手がいた方が安全

なお、冒頭で紹介した「直接タイヤを回す方法」なら1人でも車を動かすことは可能らしい。ただ、運転席にハンドルとブレーキを操作する人がいた方が安全。とくに傾斜などで行う場合は、タイヤを回す役・運転手の2人は必要だろう。


・やってみた

そんなわけで、アホな上司ことYoshioに協力してもらい、実際に車を動かしてみることにした。運転席のYoshioがハンドル・ブレーキを担当し、私(砂子間)が車を動かす担当。


まずは車のボディーを押してみる。


……全然動かず。


次にタイヤを直接手で回してみたら……

……やはり全然動かなかった。


もしかしてコツが必要なのだろうか。となれば、故障した時のために練習した方が良いのでは……と思ったその時、衝撃の事実を知ることに!



Yoshio「ごめん、サイドブレーキ引いてた」



・気を取り直して

……くり返す、車を動かす際にはサイドブレーキを外してニュートラルだ。皆さんは大丈夫だと思うが、いざという時のために覚えておくこと。それではあらためて車を押してみる。


ぐっぐっぐっ……

なんとか動く。


続いてタイヤ……

ぐぐぐ……



・姿勢がきつい

なるほど。一般的な乗用車の場合、タイヤ位置が低いため少しきつい姿勢でタイヤを回すことになるだろう。後ろから押すよりめっちゃスムーズとは思わなかったが、たしかに車はよく動いた。

たとえば運転手以外に4人いれば、全員でボディーを押すより、各タイヤに人員を配置する方がスムーズに動かせるのではないだろうか。また、バスやトラックなど大きなタイヤなら効果を実感しやすいかもしれない。

もちろん実際の現場では、最も安全な方法を選択する必要があるだろう。今回ご紹介したのは1つの例として覚えておいてほしい。現場からは以上です!


参考リンク:警視庁警備部災害対策課 公式X
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.