ゴールデンウィークは終わったけど、どこか旅に出たい……心の中のスナフキンが夢想している皆さんに朗報である。

伊豆諸島へのフェリーなどを運行する東海汽船から『韋駄天ミステリーきっぷ』なる、日帰りの船旅チケットが発売中である。

行き先は伊豆大島、利島、新島、式根島、神津島のどこか。当日までどこに行くか分からない。

非常にバクチ要素の強いミステリーツアーで、滞在時間は伊豆大島なら約5時間、神津島だと約1時間になってしまうという……。読者からのリクエストもあったので弾丸で行ってきたけど、大変なことになった。

・韋駄天ミステリーきっぷ

『韋駄天ミステリーきっぷ』の発売期間は2024年5月23日(木)から6月27日(木)までの火・水・木出発で日帰り限定。出発地は竹芝客船ターミナル。

価格は大人が1万2000円、こどもが6000円で各日40名限定。前日までに要予約となっている、

当日まで行き先が分からないうえに


【滞在時間】
伊豆大島 4時間55分
利島 3時間36分
新島 2時間45分
式根島 2時間10分
神津島 1時間10分


とかなり差がある。ちなみにツアー名の韋駄天(いだてん)とは足の速い人の例えで使われる言葉。今回の船旅で使われるのが高速ジェット船だから……というのもあると思う。


・5月28日(火)のきっぷを購入

売り切れたら困ると思い、きっぷが発表されてすぐに5月28日(火)の予約を入れた。

このとき、私は天気予報を全く見ていなかったのだが……この日は全国的に台風で天気が大荒れ

波が高いと船は出港しないので、船旅には最悪の天候であった。


当日朝6時にHPで発表される船の運行情報によると、私が乗る朝8時50分発のジェット船は運航するようだ。

しかし帰りの便は悪天候のため利島、新島、式根島、神津島は欠航の可能性もある……と出ているではないか。


・さて、行き先は…

当日は竹芝客船ターミナルに着いてから、予約していたチケットの購入手続きをする。


ここで初めて行き先が分かるのだが……。


この日の行き先は……


伊豆大島!


ぶっちゃけ悪天候で利島より先は帰りの便が出ないかもしれない……と発表されていた時点で、予想はできていた。

伊豆大島は滞在時間が4時間55分と長い。当たりといえば当たりである。しかし、ロケットニュース的には、滞在時間が短い神津島がオイシかったな、なんて……。

ミステリーきっぷで遠くの島を狙うなら、晴天で風のない日がいいのかもしれない。

伊豆大島まではジェット船で1時間45分。


雨が強いので船が揺れるかと思いきや、乗り心地は快適で大島に着くまで爆睡してしまった。


船の中で島についたらどこに行こうかスケジュールを考える予定だったのに……。


・大島到着、嵐

そんなこんなで伊豆大島の岡田港に到着。


さあ、これから4時間55分、島を満喫するぞ!


と思いきや、


到着時の伊豆大島は雨風がめちゃくちゃ強かった。


海は真っ白で何も見えないし、横殴りの雨が降っている。


三原山の裏砂漠にでも行こうかと思っていたが、三原山行きのバスは休止。うーむ。


そうだ、伊豆大島は火山があるので温泉が豊富って書いてあった。 


地元の人に温泉の場所を聞いて、路線バス(だいたい1時間に1本しかない)に乗車し元町港近くの「愛らんどセンター御神火温泉(ごじんかおんせん)」へと向かうことに……。


最寄りのバス停から「御神火温泉」までは海沿いを歩いて7分ほどの道のりだったのだが……


雨がすごすぎて、服がずぶ濡れになってしまった! 


島の人も愛用するという「御神火温泉」は、うたせ湯やジャグジー、サウナや温水プールもある健康ランド的な場所。



朝風呂をしに近所の人たちが集まっていて、島らしいのどかな雰囲気が最高である。


雨で冷え切った体を温泉とサウナで温めたら、もうここから出たくなくなってきたが、取材なので無理やり出る。


・島グルメを楽しむ

せっかくなのでその土地ならではのグルメを楽しみたいところ。伊豆諸島といえば「べっこう寿司(島寿司)」である。

「いざなみ」というお寿司屋さんが美味しいらしいが、港からは離れていて徒歩30分。

晴れていたらのんびり歩いて行けるのだが、雨なのでここも路線バスで移動するしかない。


バスは1時間に約1本。計画性が問われる。ちなみにグーグルマップで表示された時刻と実際のバスの時刻表が異なっていたので要注意


バスにゆられて「地の岡」停留所で下車。「いざなみ」は町の小さなお寿司屋さんという風情。


べっこう寿司といなり寿司をゲット。テイクアウトメインだけど、店内でも食べられるようになっていて、お店の人が温かいお茶を出してくれた。


べっこう寿司は、島とうがらしの入った醤油に白身魚を漬けたピリ辛のお寿司。


ワサビとは違ったピリッとした辛味と魚の旨味でめっちゃ美味しい! いなり寿司の甘みもちょうどいいし……。バスに乗って来てよかった〜!


・お菓子屋さん発見!

さらに「いざなみ」のすぐそばに「シャロン洋菓子店」という島唯一の洋菓子店も発見。ケーキとパンとピザが名物らしい。


ピザは三原山の溶岩を使った窯で焼いてるそうで、駐車場にピザの自販機があってユニーク。


広い店内の中にたくさんの商品があって迷う……!


バスの時間まで、イートインで大島牛乳を使ったというアイスカフェ・オ・レと、いちごが丸ごと入ったショートケーキを頂いたのだが、ケーキが美味しくて感動。


スポンジはふわふわだし、クリームはしつこさがないし、いちごも粒ごと入っていて、ペロっと食べられる味。こういう偶然の美味しい出会いっていいよね。


本当は地元のスーパーとかに行きたかったけど、路線バスの時間が来たので散策終了。バスに乗れなかったら帰りの船にも乗れないからね……!


・15時30分の船でさようなら〜

15時10分に岡田港に到着。

港のお土産屋さんで、「大島バター」なる、大島産の牛乳と塩だけを使った珍しいバターを発見。


これは大島でしか買えない上に、めったに出回らないレア物のバターらしい。1つ1400円とかなり高価だけど、気になるので買ってみた。

……と、このあたりで帰りの船が出る15時30分が近づいてきたのでタイムアップ


帰りの船の中でも爆睡し、17時15分に竹芝客船ターミナルに帰着してミステリーきっぷの旅は終了

ちなみに、海が荒れているので夜の船はすべて欠航になっていて、竹芝客船ターミナルはガランとしていた。


弾丸ミステリーきっぷ、楽しかったけどひとつ言えることがあるとしたら、島は天気に左右されやすいので、事前に天気を調べて行くべし! ということ。

晴れた日のほうが楽しめると思うので、みなさんはしっかり天気予報をチェックしてから予約してださい!


参考リンク:東海汽船
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
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▼晴れてたら眺めもよくて気持ちよかったはず!

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