最近、讃岐うどんのお店の揚げ物にハマっている。「うどん県」と称されるように香川県はうどんの本場であり、うどんは県を代表する料理のひとつと考えても差し支えはないだろう。

だが、うどんだけではなく、一緒に食べる天ぷらにも特徴的なものがあると、私(佐藤)は気づいてしまった。そこで都内の讃岐うどんのお店をリサーチしている。

今回訪ねたのは、JR上野駅改札内にある「本場さぬきうどん 親父の製麺所 上野店」だ。ここのアスパラガスの天ぷらは長い! 長すぎるのである! なぜ、こんなに長いんだーーッ!!

・JR四国のうどん屋

このお店は「株式会社めりけんや」が運営を行っている。同社の公式ページの会社概要を見ると、株主は「四国旅客鉄道株式会社」、つまりJR四国だった。


JR四国がJR東日本の上野駅に出店しているとは、そんなケースもあるんだね。ちなみに都内には池袋と浜松町にも出店しており、以前は秋葉原や大崎にもあったようだ。


さて、上野駅の改札内にあるとのことだが、どこかな~。中央改札左中2階にあるらしいので、とりあえず中央改札から入ってみよう。


改札内のお店って、気にしてないと素通りしちゃうよね。乗り換えとかで急いでいたら、目に入らないこともあるものなあ。こんなところにうどん屋なんかあったっけなあ? 左の中2階ってことは、この階段の先かな。


あ、あった! たしかにあったかも。今までうどんにそこまで関心がなかったせいで、見落としていたのかもな。


メニューは一般的なうどん屋とそれほど変わらない。もっとも安いかけうどんが並盛税込400円。丸亀のかけうどん(並:税込390円)より10円高い。一方で牛肉うどんは並盛税込700円で、丸亀の焼きたて肉うどん(並:税込790円)より90円も安い価格設定だ。


注文は券売機ではなく、口頭で伝えるタイプだ。好きなうどんとサイズ(小・並・大・特盛)を伝え、カウンターで好みの天ぷらをとって、最後に会計だ。


店内は手前が立ち席。奥に椅子のあるテーブル席が設けられている。私は椅子のある方を選んだ。自分でとれる薬味はショウガだけ。ネギは提供時にすでに盛られている。



・コシは弱い

私が頼んだのは肉うどんの並だ。それと、太刀魚(税込200円)、しいたけ(税込190円)、アスパラ(税込240円)の天ぷら3品をつけた。


まずはうどんについて説明させて頂こう。気になる天ぷらについて後ほど。


うどんの出汁は甘めである。個人的に出汁は甘い方が好み。私の望む甘さにかなり近い味である。卓上に醤油があるので、甘すぎると感じたら味を締めると良いだろう。


麺は意外とコシが弱く、讃岐うどんらしくない気がする。少なくとも私は、コシの強さが讃岐うどんだと思っている節があるので、本場だからといって、必ずしもコシが強いわけではないと、今さら気がついた。


カット機で麺を切り分けているので、麺は形も太さもビシッと整っている。食べやすいのだが、歯ざわりに複雑さがなく単調な印象を受ける。それでも、出汁はかなり好みの味だったので、全体的に満足のいく味だ。



・長すぎるアスパラガス

で、天ぷらの話をしよう。


アスパラが長すぎる! 余裕で皿からはみ出してしまっているじゃないか。20センチは超えているだろう。こんなに長いアスパラガス見たことがない! 一般のスーパーで売られているものの倍はあるんじゃないのか?


これは「さぬきのめざめ」という品種で、2005年に品種登録された香川県のオリジナル品種とのこと。


この品種は生長しても穂先が開きにくい特徴を持っていることから、通常より長く伸ばしても収穫が可能なのだとか。根元は硬いのかと思いきや、根元から穂先まで柔らかくて甘い。薄衣で揚げているので、アスパラの甘さを存分に味わうことができた。


このほか一緒に注文したしいたけは同じく香川県産、太刀魚は徳島県産。注文しなかったが甘唐辛子は高知のものとのこと。ここ1軒で四国の旬を味わうことができるだろう。

さて、今回もまたうどん屋の天ぷらの新しい世界を垣間見ることができた。香川はうどんだけでなく、天ぷらも深いのでは……。さらに奥深い讃岐天ぷらの世界を探求していくとしよう。



・今回訪問した店舗の情報

店名 本場さぬきうどん 親父の製麺所 上野店
住所 東京都台東区上野7-1-1 JR上野駅改札内(中央改札口左中2階)
時間 7:00~22:30 土曜7:00~22:00 日祝7:00~21:00

参考リンク:めりけんやLOVEさぬきさん丸亀製麺
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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