丸亀製麺の覇権もあり、うどんといえば太麺でコシの強い讃岐うどんが主流である。讃岐うどん、めっちゃ美味しいよね。

うどん県・香川の讃岐うどんの美味さに異論はないのだが、長崎県民的に、みんなの心の片隅にでも置いておいてほしいのが「五島うどん」である。諸説あるけど、日本三大うどんのひとつで、細めでツルッとコシのある食感が特徴。

そんな五島うどんの食べ方に「地獄炊き」というものがあって、これがめっちゃ美味しいのだ!

・五島列島の名物

海に囲まれた離島・五島列島の名物「五島手延うどん」は丸くて細い形状が特徴のうどん。打ち粉に五島名産の椿油を使っていて、のどごしがツルッとしていてコシもある。

九州のうどんは、噛まずに飲み込めるレベルで「太めで柔らかめ」が主流なのだが、五島うどんは異端である!

普通のうどんと同じように、出汁や天ぷら、練り物と一緒に食べることが多いのだが……。中でも独特の食べ方が「地獄炊き」である。



・釜茹でのうどんを出汁と〇〇につける

「地獄炊き」とは、鍋で茹でたうどんを豪快に鍋ごと出して、アツアツの状態でつけ汁や薬味につける食べ方。

五島うどんと相性がいいあご出汁(飛び魚の出汁)のつけ汁につけて……。

さらにすき焼きのように生卵をからめて食べるのだ!

出汁と薬味の香り、卵のまろやかさ、そしてツルッとした麺が三位一体となって……めっちゃ美味しい!

ちなみに「地獄炊き」というネーミングは、旅人に食べさせたら「しごく美味しい」と言ったのを「地獄美味しい」と聞き間違えて、地獄炊きになった……という説が五島手延うどん協同組合のサイトに書いてあった。



・うどん版のTKG

丸亀製麺の釜揚げうどんも似たような食べ方ではある。うどんをとき卵に付けるのはそこまでメジャーな食べ方ではないような気がする。

いうなれば、うどん版の卵かけご飯みたいな味わいになる。

私は五島うどんの乾麺を買ってきて、自宅の台所でちょっぴり行儀悪く地獄炊きスタイルで立ち食いするときもある。

細麺のツルッとした五島うどんは、太めでムギュッとした讃岐うどんとはまた違った味わいなので、長崎を訪れた際はぜひ食べてみてほしい。


ちなみに、個人的におすすめは長崎空港の2階にある麵どころ「つばき・牡丹」というレストラン。美味しいうえに、郷土料理が一通りそろっている。

もし長崎空港を利用する機会があったら、最後の最後まで長崎グルメが楽しめる場所としておすすめである!


参考リンク:五島手延べうどん協同組合
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.