昨年、ヨーロッパ内で初となるロンドンの店舗をオープンした丸亀製麺。限定メニュー『Two Pork Tonkotsu(ダブル豚骨)』がなかなか独特だった件については先日の記事でお伝えした。実はロンドンの丸亀、ビーガン向けメニューに力を入れていることでも有名だ。

ビーガンは「完全菜食主義者」の意味。卵や魚介を一切使わないうどんとはハードルが高いが……そこは天下の丸亀製麺、きっとトンでもないビーガンうどんを仕上げたのだろう。ってことで再び丸亀ロンドン店へ行ってみた!

・超ハイセンス丸亀

この日訪れたのは丸亀製麺リバプール・ストリート店。

パッと見、この風景の中に丸亀があるとは思いもしない。真っすぐに進むと……


この細長いのが丸亀製麺なんです! オッシャレ〜!


夕方だったためか、前回訪れたセント・クリストファーズ店より混雑している。

揚げ物コーナーの人気メニューは……

なんと揚げ餃子(0.85ポンド / 約139円)! カリカリで「コレ絶対ウマいヤツ」なのだが、丸亀のイメージとは違うなぁ。

和テイスト満載の客席もハイセンスである。


・だがしかし

さて丸亀製麺といえば鰹節やいりこを使った「魚介だし」が自慢。これは当然、海外の店舗でも食べることができる。

しかし驚くべきことに、ロンドンの丸亀では魚介だしを『野菜だし』に変更することも可能なのだ( ※ 一部メニューは変更不可)。もちろん追加料金ナシで!

今回私が注文したのは『かけうどん(野菜だしバージョン)』(4.75ポンド / 約775円)、『アスパラの天ぷら』『ズッキーニの天ぷら』(各1.25ポンド / 約204円)というガッチガチのビーガン・メニュー。見た目的には全然ビーガンぽくない。実際に野菜ダシを飲んでみると……


うわ、全然違う!!!!


グルメ記事で「全然違う」という表現を用いるとき、最終的には「どちらもウマい」という結論に達することが多い。なぜなら味の好みは様々であり、筆者の主観のみで結論づけることはリスクが伴うから。

しかしながら……この『野菜だし』に関しては、わりと自信を持って「通常の『魚介だし』より劣る」と断言できる。なんと言うか、味わいが足りない。ダシの風味が無いせいか、やたらショッパく感じる。あと、メチャぬるい。

また先日の記事でもお伝えしたとおり、ロンドン丸亀の麺は柔らかめ。ぬるくて、コシがなくて、風味がないうどん……ビーガンメニューだとは分かっていても「コレじゃない」感がエグい。

これで天ぷらがおいしければ『天ぷらうどん』としてゴマかすこともできただろう。ところが期待したズッキーニの天ぷら、まるで『茶きん蒸し』みたいにドゥルドゥルじゃあないか! 明らかに加熱しすぎなのである。

そしてアスパラの天ぷらは……もう、こうなったらハッキリ言っちゃうけど、おいしくない!! ホニャホニャで水っぽくて青臭い。アスパラの原産地はヨーロッパなハズなのに、一体なぜこうなってしまったというのか!?


・結論として

……などと厳しいことを書いたが、冷静になってみると “シャキシャキ野菜” をこれほど好むのは日本人だけと聞いたこともある。私にとっては「加熱しすぎ」と感じた天ぷらも、イギリスの人にとっては丁度いいのかもしれない。

またコシのなさも現地人の好みによるものかもしれないし、とある記事によれば外国では熱いスープが敬遠される場合もあるのだという。つまり日本人である私に、イギリスのうどんを論じる資格は元々ないのだ。

そもそもビーガンメニューは一般メニューより物足りなさを感じるのが普通。私の感想はあくまでも『日本の魚介だしうどん』と比較した場合のものであって、おそらく今回の野菜だしも「ビーガンの割にはおいしい」のだろう。とはいえ結局のところ……


結論:ビーガンじゃないので分からなかった!


ビーガンじゃない日本人にはあまりオススメできないかもしれないロンドンのビーガンうどん。日本じゃ絶対食べられない味であることは確かなので、ロンドンへ行ったらトライしてみるのもアリだ。もちろんビーガンの人は迷うことなく食べてみてほしい……そして感想を聞かせてくれ!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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