庶民の味方、業務スーパー。業務用のサイズや価格で幅広い商品を取り揃えており、バリバリ一般のお客様である筆者も度々お世話になっている。
……が。
つい先日私用で業務スーパーを訪れた筆者。冷凍コーナーにて、いくらなんでも幅広すぎる商品を発見した。
あまりに場に似つかわしくない、その名は――
「キャビア」。
・業務スーパーのキャビア
そう、かの有名な世界三大珍味の一つ、高級食材のキャビアがしれっと並んでいたのである。びっくりした勢いで買ってきてしまった。
ご丁寧に(黒)と(紅)の2種類が取り揃えてあり、価格はそれぞれ税込ぴったり300円。こんな金額でキャビアが手に入っていいものか……!
……とここまで書いてきたが、そろそろ種明かしをしてしまおう。
実はこの商品、正式な商品名は「カペリンのキャビア」。カペリンとは「からふとししゃも」のことである。
要するにししゃもの卵を調味液に漬けて着色したものであり、あの珍味のキャビアではない……のだが、まあいい。そもそも筆者にしてからが本物のキャビアなど見たことも食べたこともないのだ。美味しければそれで良いではないか。
というわけで前置きが長くなったが、いただいてみることにしよう。
・そのまま実食
このままだとカッチコチに凍っているので、冷蔵庫で一晩解凍。
まずはそのまま食べてみると……あー、魚卵だね。
味はまあ、ししゃもの卵なのだが、プチプチした食感が良い。原材料を見るに醤油や砂糖で味付けされているようで、特に紅はキャビアというより「とびっこ」そのままな感じだ。
そのままでも美味しくいただけるが、ちょっと塩味もクセも強め。やはり何かに乗せたり添えたりする前提の食べ物なのだろう。
……そうと決まれば、アレンジするっきゃないでしょうよ!
・カナッペ風
まずは簡単なアレンジから。クリームチーズとともにクラッカーに乗っけて、カナッペみたいにして食べてみよう。
いい感じに華やかな見た目になった。
これはもう鉄板で美味しいだろうと食べてみると……あれ?
意外にもクリームチーズとクラッカーの主張が強く、キャビアの味や食感がほぼかき消されてしまった。キャビアの量を増やしてみてもあまり変わらず……。
でも味のアクセント程度にはなるし、なにより彩りが華やかなので、パーティのおつまみとかで出せば場が盛り上がるかも。あと、粒が細かくてめちゃくちゃこぼれるので注意。
・オムレツにトッピング
続いてはネットで見つけた組み合わせ。なんでもオムレツにキャビアをトッピングするとのこと。合う……のかな……?
シンプルなオムレツを作り……
キャビア(黒)を乗せる。
え、これでいいの……?
何故かどことなく不安を煽るビジュアルだが、ここまで来たら食べねばなるまい。いただきます……。
あっ、おお!? ええ!?
合う……!!!!
正直メチャクチャ心配だったのだが、卵・バター・キャビアそれぞれの味が消えもせず喧嘩もせず、いい感じにマッチしている。
プチプチの食感も、卵の ふわとろに対して良いアクセント。全てにおいて対極の2人が、素晴らしくお互いを引き立てあっている。美味しい! またやる!!
・韓国風おにぎり
最後は「紅」を完全に とびっことして扱い、最近流行っている(らしい)韓国風おにぎり「チュモッパ」に挑戦。
ご飯に、
・キャビア(紅)
・刻みたくあん
・刻みねぎ
・海苔
・ごま
・マヨネーズ
・ごま油
・塩
を入れて、
混ぜる。
そして握る!
もうこんなん不味くなるわけがないじゃないの。
マヨネーズがいい感じにジャンク。ネギや海苔、ごま油の香りでキャビアのクセは消え、完全に プチプチ食感要員に徹している。たくあんのカリカリとともに、食べていてエンターテインメント性を感じるおにぎりである。
あと、混ぜ込むとご飯全体が ほんのりサーモンピンク色に染まるので、キャラ弁とかにも使えるかも。
・総評
業務スーパーのキャビア、面白い食材である。
何度も言うが正体は ししゃもの卵……ではあるものの、それを知ってもなお 何となくテンションが上がる。色々と使い方を考える楽しみがあるのだ。
アレンジとしては、やはりプチプチの食感を活かすのがいい気がする。特に「紅」は ほぼ とびっことして使えるので、ちらし寿司なんかの仕上げに散らしてもアリだろう。
まだまだアイデアは尽きない。300円で買える非日常風味のこの商品、ぜひお試しあれ!
執筆:砂付近
Photo:Rocketnews24.