5月……日差しは明るく、風はさわやか、新緑の眩しい季節である。

自然の豊かさとは裏腹に、人はなぜだか「5月病」なる憂鬱を抱えがちな季節でもある。

希望に満ちた新生活から楽しいGWを経て、なんだか全部が憂鬱でやんなっちゃう、そんな感じ。

もしあなたが日常にちょっぴり疲れてしまったなら……5月の都電荒川線に乗るのがおすすめである。

・バラの季節

5月はバラが美しく咲く季節。

以前、荒川区のパリ化でも軽く触れたのだが、都電荒川線の沿線4kmに渡ってバラを植栽しており、バラの名所となっているのである……!


なんでも「荒川区をバラ香る町にしよう」という目標を掲げて、昭和60年(1985年)からバラの植栽がスタートしたそうな。ちなみに、バラのお世話をしているのは「荒川バラの会」という区民のボランティアグループ。手作り感がなんともいい感じなのだ。


沿線にバラが植えられているのは、三ノ輪橋駅〜荒川車庫前駅の区間にかけての約4km。


・車窓を眺めるだけで楽しい

バラの名所は色々あれど、最近はSNSの影響で混雑する傾向にある。じっくり花を見れる場所……というのは案外少ないもの。

ただ電車に乗ってぼんやり車窓を眺めているだけで、バラが目に飛び込んでくる。


ゴトゴトゆったりと進む荒川線。車窓から、赤白黄色、ピンク……色とりどりのバラの花が見えるの景色はなんともいえず美しい。


ゆったりと進む荒川線のスピードもあって、どことなく遊園地の乗り物めいた雰囲気もある。


ディズニーランドのイッツ・ア・スモールワールドとか、観覧車みたい……といったら言い過ぎかもしれないが、乗り物にのって車窓の風景を楽しむという点では近いものを感じる。

運賃はどこまで乗っても170円。170円でバラ鑑賞が楽しめる最高の乗り物といっても過言ではない。

下町らしいのどかな風景の中に、バラが咲いている景色はなんとものどかで、心和むのである。


・とくにバラが楽しめる場所

沿線の中でもバラに力を入れている場所が何か所かあって、荒川遊園地前、町屋駅前、三ノ輪駅前など。



こうしたバラの多い場所は、歩くと花の甘い香りがしてくるので途中下車して歩いてみるのもおすすめ。

よく晴れた午後、ゴトゴト電車に揺られながら、窓の外に咲くバラを眺めるひととき。


とくにおすすめは、車掌席の後ろあたり。


進む線路の先にどこまでバラが咲いている景色は、この先の未来が明るくて、なんとなくいいことがあるような気がしてくるのだ。


決して華やかではないけれど、ささやかな喜びを見つけながら、ゆっくりと人生は進んでいく……そんなことを思ったりして。

おでかけのついでに、荒川区のパリなスポットで美味しいお菓子を買うのもおすすめですぞ。


参考リンク:荒川区
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
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