ウエルシア薬局は2024年4月18日よりプライベートブランドの「からだWelcia」から初の冷凍食品を販売開始した。その名も「黒豚をちゃんと感じる幸せの肉餃子」だ。
名前がちょっとクセ強な気もするが、今後を左右しかねない一発目で売れ筋ながら味が問われる餃子を選んだのは本気の証。これは期待!
・計画的に作られた冷凍餃子
ウエルシア餃子の詳細を確認してみると、どうやら理由もなく餃子を作ったワケじゃないらしい。
というのも、ウエルシアは事前にアンケート調査を実施。冷凍餃子が求められていると分かると開発を始め、求められるものを分析して作り上げたそうなのだ。
ちなみに求める声が多かったのは「具材の量が多いこと」「肉汁があふれる」「皮が薄い」「大きめサイズ」であること。少しばかり「でしょうね」という気がしないでもないが、冷凍餃子にガッツリを求めている人が多いのがよく分かる。
んで作るにあたり鹿児島県産の黒豚だけを、野菜には国産野菜だけを使用。そして国産あごだしを使うことでジューシーな味わいに仕上げているらしい。
ただならぬこだわり……これは大手のものと比較してみると面白そうだ。ということで……
冷凍餃子のイメージが強い味の素のものを用意。しかも、同じ土俵である「黒豚」を使用した餃子だからどれくらいやれているのか測れそうである。
なお、値段はウエルシアが429円(12個入り)と意外と強気。対する味の素はランク上の商品とあって807円(20個入り)だった。1個あたり約36円vs40円と思ったより差がないがはたして。
・食べ比べ
さて、それでは食べ比べてみよう。まずはウエルシアから作ったのだが、水・油が必要と最近の冷凍餃子にしては珍しいタイプになっていた。
対する味の素は周知の通りどちらも不要。これでパリッと焼けるのだから改めてスゴい……と思ったのはさておいて、説明書通りに作ること数分……
ふむ、餃子のサイズはちょっぴり味の素が大きいといったところだろうか。そして食べてみたら……全然違う!
それぞれに特徴があって面白い。味の素は以前にレポートしたように分かりやすい肉汁系の餃子でパンチ力がハンパない。
一方、ウエルシアは優しめな味だ。肉汁も出ることは出るのだが、わざとらしさがない。それよりもニンニク、ニラなど具材の味がしっかりしていて、野菜の食感、さらには甘みも感じられたのが印象に残った。
また、和風調味料に使っている国産あごだしの影響だろうか、口の中に残る最後の余韻はなかなかいいものがあった。これはかなり考えて作られたのではないだろうか。
同じ鹿児島県産の黒豚を使いながら方向性は違う。それでいながら、いずれも多くの人が美味しいなぁと思うであろうゾーンに入れられていた。何もつけずに美味しいのも推せるし、ラーメンや炒飯と一緒に食べたらバランスがいいのではないだろうか。ただ……
・ネックあり
消費者目線で正直な感想を述べておくと、429円という値段はやはり強気。お店によるが、他の冷凍餃子が200〜300円くらいで売られているのを考えたら大手を手に取る人も少なくないだろう。ましてや水も油もいらない便利タイプがほとんどだし。
もっといえば、大体どこにでも置かれている味の素の餃子(赤パケのやつ)は個人的な体感だと220〜250円くらい。倍くらいの価格差は人によって食べる前から「う〜ん」となってしまうかもしれない。
とはいえ、ウエルシアは一発目で健闘しているのは確か。初手とは思えないくらいクオリティーが高いものをぶっこんできたのは間違いない。気に入る人はいるだろうから興味があればぜひ試してみてほしい。
参考リンク:ウエルシア「黒豚をちゃんと感じる幸せの肉餃子」、PR TIMES
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
▼原材料など
▼袋の中はこんな感じ