今や我々の生活に欠かせなくなりつつある、飲食類の配達サービス。日頃からUber Eats(ウーバーイーツ)や出前館などを利用している方も多いことだろう。
どちらも文句なしに便利なサービスであるが、配達エリアに制限があるのが玉に瑕。そんな人には地球最強の配達サービス『Aheeber(アヒーバー)』をオススメしたい。
・禁断症状
ある日のこと。私は禁断症状に襲われていた。ここ数年、丸亀製麺の春の風物詩『あさりうどん』を食べていないせいで、あさりの幻覚やうどんの幻聴に苦しめられていたのである。
それこそウーバーなり出前館で「あさりうどん」を注文しようとしたものの、残念ながら都心部まであさりうどんを届けてくるサービスは無い。なぜなら「あさりうどん」は郊外店での販売がメインだからだ。
瞳を閉じれば浮かんでくるあさりの笑顔。体が……いや、細胞があの濃厚なスープを欲している。デッド or あさり──。もはやあさりうどん廃人になるのも時間の問題だ。
・救世主
そんな私を見かねて声をかけてきたのがYoshioである。令和のマザー・テレサの異名を持つYoshioは、とにかく親切なことで有名だ。きっと私を助けてくれるに違いない。
Yoshio「OK、俺が何とかしよう。これは奥の手を使うしかないか……あれだな。よし、任せろ。八王子の丸亀製麺からあさりうどんを取り寄せてやるよ、Aheeber(アヒーバー)でな」
アヒーバー? 私自身は聞いたことがないサービスだったが、どうやら八王子から新宿まで「あさりうどん」を届けてくれるらしい。なんという神サービス。Yoshioのあふれる漢気は “令和の高倉健” と称して差し支えあるまい。
Yoshio「アプリを立ち上げて……」
Yoshio「あさりうどんね、OK。やってるって」
Yoshio「よっしゃ、注文完了。なに、2時間もあれば届くってばよ!」
サンキュー、Yoshio。フォーエバー、Yoshio。この禁断症状が治まった暁には、全身全霊でお礼させていただきます。感謝っ……! 圧倒的感謝っ……!!
そして2時間後。
突如として事務所のベルが鳴った。ついに来たのか、アヒーバー! ついに来たのか、あさりうどん!! 息も絶え絶えでドアを開けてみると……
なんかいた。
そこにいたのは素手で出前機を持ったイケメンの青年。年齢は30代中盤といったところだろうか? その瞳からはある種のブリザードを連想させたため、もしかしたら北国の出身なのかもしれない。
そのイケメンは私を確認すると特に名乗ることもなく、出前機の上にあったあさりうどんを無言でスッと手渡す。そして……
帰って行った。
・正体不明
アヒーバーとは何なのか? 確かなのは「八王子から新宿まであさりうどんを届けてくれた」という事実だけである。その後、Yoshioが謎の失踪を遂げたため「アヒーバー」の全容を知る者はいなくなってしまった。
ただし、やや温くなっていたものの、久々の「あさりうどん」で禁断症状が綺麗に解けたことはご報告しておく。ありがとう、Yoshio。ありがとう、アヒーバー。そしてありがとう、丸亀製麺。
果たしてアヒーバーとは何だったのか? 何度かネット検索を試みているものの、その正体は不明のままだ。だがもし本当に困ったとき、あなたの下にアヒーバーが駆けつけてくれる……かもしれない。
参考リンク:Aheeber(アヒーバー)
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼アヒーバーは「初回50%オフキャンペーン中」とのこと(ウソ)。