先日、ハンバーガーチェーンと言えばマクドナルドとモスバーガーしか食べたことのなかった筆者は、もっと色々なチェーン店の味を知りたいと思い立ち、ロッテリアを初体験した。
そして勢いづいた結果、今再び新たな店に挑戦しようとしている。このままバーガーチェーンがにわかに激増したりしなければ、ゆくゆくは全てのチェーンを制覇できるはずだ。激増したらしたで色々な味を楽しめはするだろうが、制覇が遠のくのはもどかしいところである。
そんな仮想のバーガーバブルへのジレンマはひとまず置くとして、このたび狙いを定めた先はバーガーキングだ。たまたま同店の「マッシュルームワッパー(単品790円)」なる期間限定商品が目に留まったことが選択の理由なのだが、この商品、いささか風変わりなのである。
というのも、「マッシュルームワッパー」が初めて登場した時期は2023年10月上旬。一応確認しておくと今は2024年3月上旬である。つまりおよそ5ヶ月ものあいだ販売されている計算になる。
長い。そこらの「期間限定」が泡を吹いて倒れそうなくらいには長いし、「期間限定」がここまで強く根を張っているところはそうそうお目にかかれない。何故これほどに長いのか。
推測するに、公式サイト曰く「マッシュルームワッパー」は2023年における期間限定商品の中でも売上No.1とのことで、ゆえに出番が延長され続けているのだと思われる。確かに人気ならば長くいてくれた方が皆幸せなので大変合理的である。
ともあれ、それだけ好評を博している「マッシュルームワッパー」の味が気にならないはずがない。そういうわけで筆者は同商品を通じてバーガーキングを初体験することにしたのだが、実物に相対してみると、まず驚かされたのはやはりそのサイズであった。
そもそも「ワッパー」とは「とてつもない」という意味の英単語で、要は「大きめのハンバーガー」ということらしく、実感としても直径約12~13cmを誇るバンズは他店より相当にボリューミーに映る。
加えてバンズが大きければ具材も大きく、包み紙を剥くやいなやキノコがしなだれてきた時の衝撃といったらない。パティもバンズをはみ出さんばかりで、その周りを固めるオニオンやトマトなどのメンツも充実している。
そして何より印象的だったのが、それら具材が全て弾けるように生き生きとしていたことである。直火焼きパティのワイルドな味わいや、野菜たちのみずみずしいフレッシュぶりは言わずもがな、中でもキノコの食感が際立っていた。
「マッシュルームワッパー」と銘打たれつつ、マッシュルームのみならずエリンギやブナシメジも採用されており、様々なキノコが競い合うように弾力ある歯応えで訴えかけてくる。変な話、キノコの活け造りかと思うほどに口の中が賑々しかった。
それでいて苦みや臭みがほとんど感じられないのも魅力的だし、そういった特徴がダイレクトに伝わってくるほど味付けがささやかなのも憎らしい。
最低限添えてあるだけのようなペッパーマヨネーズソースは香ばしさ抜群ながらさっぱりとしていて、具材を引き立てることに一役も二役も買っている。良い意味で想像を裏切る「マッシュルームワッパー」のシンプルなテイストは、具材への信頼の表れと言えるだろう。
かくしてバーガーキング初体験を終えた筆者の舌は、十二分に満たされていた。「マッシュルームワッパー」が圧倒的人気を誇る要因も、バーガーキングがファンから熱い支持を受けている理由も、全てを心から悟っていた。
もし皆さんの中にもバーガーキングの味に触れたことのない方がいたら、ぜひとも臆せず挑んでみてもらいたい。2024年2月23日からは新開発のソースを投入した「シルキーランチ マッシュルームワッパー」も販売されているそうなので、まさしく今が好機である。
筆者としては最早思い残すことはない、と言いたいところだが、あえて挙げるなら「マッシュルームワッパー」にはこれからも末永く存続してほしいところだ。規格外の「期間限定」は、今となっては筆者の心にも強く根を張っている。
参考リンク:バーガーキング 公式サイト、PR TIMES
執筆:西本大紀
Photo:Rocketnews24.