松屋フーズのコスパ良いとんかつ専門店である『松のや』。物価高のこのご時世においてロースかつ定食が税込590円は奇跡と言える。しかも、今はご飯お替り自由の店舗も多い。

そのムーブからも分かる通り、私の中では松のやは空気が読めるとんかつ屋だった。そんな松のやが、あの松のやが……まさかこんなことをやらかすなんて。絶対に超えてはいけないラインを超えてしまっているではないか。

・超えちゃった

私(中澤)が愕然としたのは2024年2月28日15時から発売された新メニューを見た時だ。その新メニューの看板にはこう書かれていたのである。「とんかつを超えた」と──。

アカンアカンアカン! そこ超えたらアカン!! 煽り文句だけでそう思ったのだが、ブツの画像を見るとこれまた全然とんかつじゃない。衣もなく肉がむき出しである。言葉だけではなくブツまで、絶対に超えてはいけないラインを軽々と超えてしまっていた

そんなメニューの名は『オニオンバターソースのポークフライドステーキ定食(930円)』。超えたも何もステーキって言うてもうとるやないか



・食べてみた

色々問題があるように感じたためステーキダブル(税込1500円)を注文してみた。パッと見、ただのポークステーキに見えるのだが……


食べてみると外側がカリッとしている。

とんかつのサクッとした感じではなく、唐揚げに近い。ただのポークステーキではなく、確かにフライドステーキ。見た目では分からないくらいの極薄の衣がついているような印象の食感だ。



・とんかつの立場

ちなみに、煽り文句の全文は「とんかつを超えた、豚ロースの甘み・旨み・新食感」となっている。確かに、衣がない分豚の旨みがダイレクトではある。


まあ……とんかつではないからね。衣を脱ぎ捨てたメニューで「とんかつを超えた」って言ってしまうととんかつの立場無くならない

しかも、これは期間限定メニューである。このメニューが終わった後、残されたとんかつ達はどうすればいいのか。ウマイがゆえに、むしろ松のやの今後が心配になったのであった。松のやよ、お前自分が何言ってるか分かってるのか?

思わず、正気を疑ってしまったが、とんかつの気持ちを無視すればバリエーションの1つとしてはありなメニューであることは事実。豚ロース焼きとかあるとんかつ屋もあるしな。松のやのご飯おかわり無料サービスとも相性は良さそうである。

本メニューは一部を除く全国の松のやで展開されているので、気になった方は食べてみてくれ。

参考リンク:松のや「ポークフライドステーキ」対象店舗
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.