この商売をやっていると「いい文章を書いたって、世間は評価してくれない」なんて弱気になることもある。が……それを口に出してしまったら、たぶん私が売れる可能性はゼロ。ユーチューブでも路上ライブでも何でもやって、己の力で時代に風穴を開けんかい!!

……と、名古屋で「日本一の海老フライ」の看板を眺めながら、私は思った。仮に自分が “日本一っぽいエビフライ” を量産できたとして、なかなか「日本一です」とは断言できない気がする。それを躊躇なく言える名古屋ってスゴイよな。あ〜、名古屋みたいな人間になりて〜!!

……と、思いながら私は「日本一の海老フライ」の看板を素通りし、『あんかけ太郎』に入店した!

・あんかけ太郎とは

なお私が素通りしたのは名古屋ダンジョンこと名駅地下街にある『海老どて食堂』。メディアにたびたび登場する有名店であり、気にはなっているのだが……でも『あんかけ太郎』に行きたいもんは仕方がないよね。

『あんかけ太郎』は名古屋市内に5店舗を構えるスパゲティ屋で、メインはもちろん『あんかけスパゲティ(あんスパ)』。個人的にはもっと店舗数が多いイメージだった。名前のインパクトが強いからだろうか。

あんかけ太郎のあんスパはバリエーションが多彩。

カレーソースがベースの『インディアンスパ』系、ナポリタンを中心とした『焼スパ』系もあり、まず方向性を決めたらトッピングを選ぶ。ココイチっぽい楽しさに溢れている。

サイズはスモール(250グラム)からメガ(1000グラム)まで。以前の記事でお伝えしたとおり、ふつうパスタ屋の一人前は乾麺100グラム(茹でると約250グラム)なので、スモールが一般的な普通サイズということになる。なるほどなるほど。



・あんスパ、想像と違う問題

え〜と、今や『あんかけスパゲティ』は名古屋グルメの代表格としてコンビニでも売っているくらいなので、ご存知ない方はあまりおられないと思う。

これ、共感の声が続出すると信じているのだが、約15年前に私が初めて名古屋であんスパを食べたとき、あまりの「思ってた味とちゃう」感に呆然と立ちつくした記憶がある。うまく説明できないが、中華のあんかけを想像しているとビックリするほど別モノなのだ。私だけ? 絶対みんなも思ってたよね??


・あんスパ × 台湾ラーメン

で、こちらがあんかけ太郎の『台湾スパゲティ』(スモール / 860円)。

前置きが長くなってしまったが、実はこの台湾スパゲティ、 “他県民がイメージするあんかけスパゲティ” を具現化したような味がする。あくまで個人の見解なので、意見が合わなかった方はスマン! ただ「あんスパって1度食べたけど苦手なんだよね」って方は、騙されたと思って食べてみるべきだと思うのだ。

一応説明しておくと、『台湾ラーメン』はこれまた名古屋グルメの筆頭のひとつで、ひき肉、もやし、ニラなどを炒めた餡をラーメンにのせた料理。人気の中華料理店『味仙』が発祥とされる。こっちもコンビニでカップ麺が買える。

でもって、元々名古屋グルメだった『あんスパ』と『台湾ラーメン』を名古屋特有の目立ったもん勝ち精神で果敢に融合させたのが、あんかけ太郎の『台湾スパゲティ』というワケなのだ。……ふぅ。名古屋グルメを説明するのは本当に疲れるな。


疲れてきたので手短に言うと、私はこの台湾スパゲティが名古屋グルメで3本の指に入るくらい好きだ。台湾ラーメン特有のピリリとした辛さはありつつ、トマトの濃い甘みがそれを中和。元も子もない言い方をすると「ミートソースみたい」なのである。

ミートソースみたいな餡がなぜかモヤシやニラと絶妙にマッチ。やわやわ・ふとふとパスタと絡みまくりの超絶ええ塩梅ですね状態を生み出しているのだった。ネタグルメと侮るなかれ。名古屋へ行ったら躊躇せずトライしてみてほしい!

参考リンク:あんかけ太郎
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.