言うまでもなくコインは踊ったりしない。触れてもないのにひとりでにコインが動き出したりしたらそれはもう大事件である。

だがしかし、勝手にコインが踊り出す動画がSNSでバズッてた。ステンレスのスプーンと電池で結界みたいなのを作ると、その結界の中でコインが踊り出すのである。マジかよ！　磁場的な何かがアレするの……？　というわけで実際にやってみることにした。

・必要なもの

私（中澤）が見た動画で使われていたのはステンレスのスプーン4本、単三電池4個、そしてコインのみ。ちなみに、コインは500円玉だったが、手元に500円玉が無かったため100円玉にした。まあ、素材はほぼ変わらんしイケるやろ。むしろ軽い方が動きやすそうだし。

スプーンも同じ理由で4本中2本はフォークになったが、こちらこそガチで素材が全く一緒なので問題なかろう。それにしても、単三電池4本程度で100円玉が動くほどのパワーが出るって、それ大丈夫なんか。何かの偶然で単三電池に囲まれたらヤバイだろ。

・手順通りにやってみた

磁石ではなく電池で100円玉が動き出すのはどう考えてもおかしい気がする。とは言え、私が知らないだけでそういう世界もあるのかもしれない。というわけで動画の状況を参考にやっていこう。まずは、スプーンとフォークを四角形になるように並べる。

で、4隅のうち3つに電池を立てる。1つだけ空ける形だ。

その四角形の中にコインを置く。

・4つ目の電池を置いた瞬間

これであとは、空いていた隅に電池を置けば結界完成。動画では4つ目の電池を置いた瞬間、中のコインが動き出す。最後のピースをハメるのはドキドキするな。つぼの部分は電池が立ちにくいので、倒れないように慎重に立ててみたところ……

……。

＼シーン／

ピクリとも動かねェェェエエエ！

いや、ピクリでも動いたらもう衝撃ではあったのだが、動かないなら動かないでちょっと笑えてくるのはなぜなのだろう。100円玉に「ジョークですやん」と言われた気がした。

・再現してみた

というわけで、私のやり方で踊り出す100円の動画を再現してみよう。

1. この結界の中で100円玉を手で回す

2. 100円玉が止まったら1つの隅の電池を取る

3. コインを取る

4. この動画を逆再生すると……

完成。

・フェイク動画ではあるけど

ちなみに、この踊るコインの結界は、フォーク4本だったりコインが10円玉だったり色んなパターンがある。中には、回るのじゃなく浮遊する感じでコインが動くものもあるが、いずれにせよコインが動かなかったことは事実なので釣り糸でも使ってるのかもしれない。

信じたら騙された気分になるかもしれないこれらの動画。だが、個人的にはここまで来ると、タネを探すという手品的な面白みもあると思う。

そう考えると、嘘というより盲点なので気持ち良さも感じた次第。タネを見つけて応用の動画を自分で作ってみるというのはSNS動画世代ならではの新たな遊びなのかもしれない。

執筆：中澤星児
Photo：Rocketnews24.