長崎出身の私にとって、冬のおやつといえば「かんころ餅」であった。五島列島の名物菓子で、冬になると長崎各地で販売されるのだ。
炙って食べるとめちゃくちゃ美味しいのだが、長崎土産としてイマイチ知名度がないように思う。もったいなさすぎる。
みんなカステラは知ってても、かんころ餅のことは知らない。個人的に思う。「かんころ餅は今こそバズる要素満点だろう」と。
とくに芋系スイーツやモチモチのお餅系スイーツが好きな人に伝えたい、かんころ餅の美味さを……!
・五島列島の名物「かんころ餅」
かんころ餅と名前だけ聞いてもよく分からないと思う。
五島列島では、さつま芋を薄くスライスして天日干ししたものを「かんころ」と呼ぶ。この「かんころ」を餅米に混ぜてつきあげたものが「かんころ餅」。保存食として長年親しまれている。
つまりカンタンに説明すると、干し芋にもち米を混ぜて作った甘い餅である。
近年、人気が高まっている芋スイーツ。芋の品種改良で紅はるかなどの甘い品種がたくさん出てきたことで、空前の干し芋人気である。私も干し芋が好きすぎて自作してしまったクチである。
数年前にはモチモチ食感のタピオカドリンクも大流行した。今でこそ、ブームは落ち着いてしまったが、あのモチモチ食感を愛する人は多いはずだ。
つまり、「かんころ餅」は干し芋×モチモチ という、食の2大トレンドをしっかり押さえているお菓子なのだ。
・見た目は地味だけど激ウマ
芋×餅という夢のコラボにも関わらず、かんころ餅が人気になりにくい理由……。それは見た目が地味だからというのがあるだろう。
なにせ干し芋×餅なので、色合いが地味である。巣鴨あたりの洋品店にありそうな黄土色というか……。
それに加えて「かんころ餅」というネーミングが他県の人にはよく分からないとか、食べ方が謎というのもありそうだ。
というわけでかんころ餅の食べ方をレクチャーする。
①かんころ餅を1センチくらいの厚さに切る
砂糖が入っていて通常の餅より柔らかくて、包丁が入りやすいのでご安心を
②トースターかフライパンで軽く焼く
焼けても普通のお餅のようにプクーっと膨れたりはしない。甘い餅なので焦げやすいので注意。最初は目を離さない方がいい。
片面1分〜1分半ずつくらいで、きつね色の焼け目がついたらOK。
③熱いうちに食べる
みてくれ、この焦げ目! 美味しそうでしょう。
そのままでも美味しいけど、バターを載せたり、ちょっとだけ醤油をかけるとやみつきになるほど美味しい!
・優しい芋の甘さが口いっぱいに広がる
もち米よりもサツマイモのほうが多いので食感は餅というよりも、ちょっとモチモチ感のある柔らかい干し芋や焼き芋に近いと思う。
最近の干し芋の甘さやねっとり感を想像すると、かんころ餅の美味しさも想像しやすいと思う。
フーフーしながら食べる焼き立てのかんころ餅は最高に美味しいオヤツである。
2月からはランタンフェスティバルの開催なんかで長崎旅行に行く人も多いはず。
芋×餅なんて、絶対好きな人が多いと思うし長崎の土産物屋ならわりとどこでも売っているので、見かけたらぜひ買ってみてほしい!
保存がきくので私は帰省のたびに絶対買って帰っている。
ていうか、かんころ餅の知名度が上がって東京でも入手しやすくなってほしいという願いを込めて、この記事を書いている。