そば需要が最大になるのは年末。そのため年明けを狙っているそば屋は少ないと思うのだが、ニッチな立ち食いそばチェーン『よもだそば』には毎年年明け限定で販売されるメニューがある。その名も「干支そば」。新年の干支をイメージしたトッピングがされたそばである。

去年の兎そばはかまぼこで兎を作って卵黄を月に見立てたもので、具は単なるかまぼこ入り月見たぬきだったのでスルーしたのだが、今年の「辰そば」はなかなか凄い。券売機のボタンの画像を見ると……

・まさに辰

天ぷらが長すぎて半分くらい丼からはみ出している。むしろ、その天ぷらの全体を写真に収めるために丼の写りが小さくなってしまっているではないか。

とは言え、丼から今にも飛び出しそうなその天ぷらの雄姿はまさに辰そば。さすがは表現重視のそばなだけある。でも、これ何の天ぷらなんだろう? 表の看板にも天ぷらの中身は書いてなかったんだよね

・注文してみた

現物が気になって仕方ないので実際に注文してみた。価格は税込600円。天ぷらのデカさの割にそんなに高くない。本当に何の天ぷらなんだろう? 運ばれてきた実物を見ると……


メニュー画像に偽りなし! 実物でも長い天ぷらが丼から突き出していた。また、そばには天ぷら以外にとろろも入っていて、とろろの上には青のりがかかっている。これは雲かな? その姿は雲海の上を飛ぶ龍のごとし。


・このホロふわな食感は

天ぷらを食べてみたところ中身は魚。淡泊な味がするので白身魚だろう。このホロホロかつふわふわな独特の食感は……


穴子

辰そばの大きい天ぷらの正体は穴子天であった。後で調べたら公式サイトのメニュー紹介には記載されていたのだが、立ち食いそば屋は調べて行く人よりフラッと入る人の方が圧倒的に多いと思う。私と同じく店頭で見つけて不安を覚えた人の問題はこれで解消できるのではないだろうか。

・コスパ良し

ちなみに、よもだそばはかけそばが390円で単品とろろが140円。穴子天はトッピングメニューには見受けられないのだが、そばととろろだけで530円なのでコスパ的には良いと思われる。

そんな辰そばの販売期間は、店頭の看板によると1月14日まで。年明け立ち食いそばを飾るのにふさわしい1杯と言えるだろう。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.