
立ち食いそば屋の危機も報じられたコロナ禍。相次ぐ名店の閉店が目立ったが、近頃は新しくオープンする店も注目を集めつつあるように思う。
そんなことを感じるキッカケとなったのは立ち食いそば屋を巡る連載「立ち食いそば放浪記」に寄せられた読者リクエストからだった。リクエストの内容は以下の通り。
・最高
「いつも楽しく記事を拝見しております。
地下鉄千代田線の綾瀬駅ガード下飲食店街にある立喰そば店の「立ち食い蕎麦 酒処 稜(かど)」が最高です。ぜひ取材してみてください!
向かいにあるカルビ丼店「焼きたてのカルビ」もなかなかいけます。
よろしくお願いいたします」
──リクエストありがとうございます! リクエスト自体は短いけれど「最高」というのは熱度の高さが伺える。人に最高と思わせるというのは凄いことだ。
・ガード下の片隅
そんなわけで、さっそく地下鉄千代田線に乗って綾瀬駅にやって来た。東改札の目の前に「Lieta」という建物の入口が開けている。
Lietaに入ってみると、日高屋とかモスバーガーが並んでいた。おそらく、ガード下飲食街はこれのことだろう。それにしても……
『焼きたてカルビ』の看板が主張しすぎである。通路上の天井の段差みたいなところにバチコーンと貼られていた。微妙に領土を侵犯している気もしないでもないところが良い味を出している。一方で、立ち食いそば屋の霊圧は感じられない。もうすぐ飲食街出ちゃいそうなんですが。と不安になったその時……
出口ギリギリにあった。マジで前まで来ないと認識できないくらいギリである。その外観に、ちょっと日本一狭い駅そばを思い出した。
・券売機に感じる綾瀬の風
とは言え、中に入ると肩寄せ合って6人くらいは入れそう。まずは、入口前にある券売機を見てみると、最上段の1番左、最初に目に入るボタンは「ゲソ天そば(580円)」だ。ゲソ天そばが店の定番メニューなのかもしれない。それはさて置き……
天ぷらの充実度が凄い。かき揚げ天、ゲソ天、春菊天、海老天以外にも、ゴボウ天、ホタテ天、玉子天などまである。天ぷら屋でも玉子天がないところがあると言うのに。
その天ぷらの充実度ゆえか、店内には昼から天ぷらをあてに呑んでいる人もいる。私は酒をほぼ飲まないけれど、メニューを見ると昼呑みのお客さんの気持ちはわからんでもない。なんなら隅っこにある「綾セット(900円)」はワンドリンク・前菜3種・天ぷら2品と、酒呑みほいほいなオーラを発している。綾瀬の風を感じるぜ。
・ゲソ天そばと玉子天
こんな店が駅直結のビルにあったら帰る前に寄ってしまうのもやむなしである。券売機を見た時点でリクエストの「最高」の意味をなんとなく理解したのであった。
そんな中で、私(中澤)が注文したのは、ゲソ天そばにトッピング玉子天(130円)。存在感のあるゲソ天に彩りを添える玉子天がなかなかお目にかかれない組み合わせだ。
玉子天は衣薄めで、箸で持つと黄身の外側がちょっと割れてとろとろした中身が出てくる。美しい半熟加減だ。
そばを食べてみたところ、特徴を感じたのはつゆ。ひと口飲むともうひと口飲みたくなる奥深い味が、ゲソ天の噛めば噛むほどにじみ出す旨みと非常にマッチしている。
そのクレシェンドするような味のユニゾンが食べれば食べるほどそばをうまくする。食べ始めより食べ終わりの方がウマイ! これぞ立ち食いそばのバタフライエフェクトや。
・価格帯は立ち食いそば
ちなみにカレーライスも単品450円と、このご時世に安めだったので注文したんだけど、ソースがサラッとしている割に味は日本風カレーの濃厚な味が感じられる。カレーライス物価指数が1食429円と言われる2025年6月、このスパイシーかつコクのあるしっかりした味で450円は大分安いと言える。
そんなカレーライスの件でも分かるように、呑み屋として考えるには食のコスパが良すぎるこの店は、やはり呑める立ち食いそば屋なのだろう。う~む、ハイブリッドだ。
そのハイブリッドさにすでに名店の風格がある『立ち食い蕎麦 酒処 稜(かど)』。実は、2024年12月にニューオープンしたところらしく、未来を感じずにはいられない。店を後にする時、改めて「最高」という言葉に頷けたのであった。そんなわけで、リクエストありがとうございました!
・今回紹介した店舗の情報
店名 立ち食い蕎麦 酒処 稜(かど)
住所 東京都足立区綾瀬3-1-16 M’av 綾瀬リエッタ内
営業時間 7:00~22:00(ラストオーダー21:20)/ 日曜・祭日20:20ラストオーダー、21:00閉店
定休日 無休
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼ゲソ天そばは名店のオーラがある
▼カレーライスは450円でも独自性あり
中澤星児














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