IMG_6069

料理店の中心部・キッチンで、磨き抜かれた腕をふるうシェフたち。調理場の戦士たちには、それぞれ強いこだわりがあるに違いない。格式や規模を問わず、「美味しい料理を届けたい」という思いは、全シェフが持つ共通精神であろう。

そんな気高きシェフたちがオススメしてくれる料理なら、絶対に美味しいハズ……! というわけで「“シェフのオススメ下さい” と注文したら何が出てくるのか?」を様々なお店で検証するのがこの企画! 第5回目は、大手立ち食いそば店『名代 富士そば』だ!!

・都内某所の富士そばで検証

まずは企画のルールを説明しよう。シンプルに「シェフのオススメ下さい」と注文し、その理由を尋ねるだけである。富士そばはホールスタッフがいないので、調理場内にいる全ての人がシェフといえる。果たして富士そばの「シェフのオススメ」は何なのか……?

筆者が訪れたのは都内の富士そば。お客さんが、ほぼいなくなったのを確認してから入店した。富士そばは食券制であるため、通常ならば最初に食券を購入しなければならないが、今回は真っ先にキッチン最寄りの席を確保。そのままシェフにオススメを聞くことにした。

・50代のベテランおやっさんシェフ

キッチンの中にいたのは、メガネをかけた50代男性シェフ。優しそうではあるが、「この道長いよ~」的な雰囲気漂う、いかにも……といった感じのベテランだ。よし、本日のシェフはおやっさん! あなたです!! 美味しいのお願いしますッ!!

さっそく「シェフのオススメ下さい」と言うと、「シェフ?」とリアクション。「はい! シェフのオススメお願いします!」と返すと、「シェフってほど大したもんじゃないけど~……天ぷらだな、天ぷらそば」と悩むことなく教えてくれた。おお、頼もしい!

IMG_6090

・チラリと見せた必殺仕事人ぶり

見ると、ノーマル・春菊・紅ショウガの天ぷらが並んでいたので、「どの天ぷらがオススメですか?」と聞いてみた。すると、「味は全部いいけど、いま揚げたてなのはノーマルだからノーマルが一番美味しいよ~」とのこと。揚げたての揚げ物にハズレなし……! 納得です、おやっさん!!

さらに、「その天ぷらそばのもっと美味しい食べ方ってありますか?」と尋ねると、「やっぱり卵じゃない? 生卵と温泉卵があるよ~」とサクサク会話が進む。「オススメはどっちですか?」と聞くと、「俺は生卵。生卵の方がウマいよ~」と断言! なんちゅう力強さや!!

最後に、「そのそばに合うような丼とかってありますか?」とリクエストすると、メガネの奥をキラリと光らせつつ、「お兄ちゃん……ヒレ丼の小さいのは食べられるかい?」という。──なにこの必殺仕事人! 今までの柔和な雰囲気が一瞬鋭くなった!! 筆者の空腹具合を測ってくれたのか……? ああ食べられますとも! お腹ペコペコでやって参りました!!

IMG_6085

・人情と心意気を感じた

結果として、2015年3月下旬、都内某所にある富士そばのシェフのオススメは、「生卵を追加した天ぷらそばとヒレ丼(小)の組み合わせ」であることが判明した。揚げたての天ぷらはサクサク食感が最高で間違いなく、ヒレ丼も肉は若干薄い気もしたが、トロトロ卵とタレが絶妙なウマさであった。

念のため記述するが、富士そば全店舗で同じメニューがオススメとは限らない。あくまで、「その場にいたシェフ」のオススメである。ちなみに、違う店舗の富士そばで「シェフのオススメ下さい」と言ったところ、「お客様が食べたいものがオススメです。あいすみません」とサラリと流されてしまったことも報告する。

初の食券制の店であったが、シェフは快くオススメを教えてくれた。もちろん混雑していない時間に限るが、「揚げたての天ぷらは何?」と尋ねれば教えてくれることもあるだろう。味はもちろん、ベテランシェフの “人情と心意気” を感じた検証結果であった。

参考リンク:名代 富士そば
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
こちらもどうぞ → シリーズ『“シェフのオススメ下さい” と注文したら何が出てくるのかやってみた

▼2015年3月下旬、都内某富士そばのシェフおすすめだ!
IMG_6085

▼揚げたての天ぷらはサクサクで間違いない!
IMG_6090

▼そばも安定感抜群だ。
IMG_6094

▼生卵は後半に潰す派。
IMG_6097

▼こちらはヒレ丼の小。
IMG_6092

▼肉は若干薄い気もしたが、トロトロ卵と甘辛いタレが絶妙だった!
IMG_6099

▼おやっさんシェフの人情と心意気を感じた、富士そばでの検証結果であった。
IMG_6069