この時期の風物詩となっているチェーン店のすき鍋定食。やよい軒や吉野家にすき焼きが登場すると冬の到来を感じるのは私(中澤)だけではあるまい。1人暮らしだと材料が多い鍋はやりづらいからチェーン店で気楽に食べられるのがありがたいのだ。

しかし、この鍋、食べ歩いていると肉量が結構違う気がする。やよい軒より吉野家の方が多い気がするのだ。とは言え、感覚の話なのであてにならない。そこで実態を調査するべく、2023年の吉野家、すき家、やよい軒のすき鍋の肉だけを抜き出して量ってみることにした

・価格

価格から言うと、一番高いのはやよい軒、次いですき家、最も安いのが吉野家という順になっている。やよい軒の「すき焼き定食」が税込950円・テイクアウト税込900円で、すき家の「牛すき鍋定食」が税込890円、吉野家の「牛すき鍋膳」が税込787円・テイクアウト税込773円だ。

テイクアウトしたものを並べてみると、容器のサイズや分量に大きな違いは見受けられない。ただし、すき家だけつゆが別で卵が2つ付いている。さすがすき焼きが名前の由来の1つだけあって、ちょっとした仕様の違いにこだわりを感じた。

・やよい軒すき焼きの肉量

肉を乗せるための紙皿をキッチンスケールで量ってみたところ重さは8グラム。正確さを追求するため全てこの紙皿を使うこととする。それではいってみましょう。


まずは、やよい軒の「すき焼き定食」の肉だけを抜き出して乗せてみたところ、重さは67グラム

・すき家牛すき鍋の肉量

紙皿の8グラムを引くと肉量は59グラムであることが分かる。サクサクいこう。続いて、すき家「牛すき鍋定食」の肉だけを抜き出して乗せてみたところ、重さは108グラム

え!? こんなに違うの!? 予想以上の差が出てしまったため、紙皿にやよい軒の汁がついて重くなったのかとも思ったが、紙皿だけ量ってみたらやはり8グラムのままであった。すき家が100グラムなのは間違いなさそうである。

・吉野家牛すき鍋の肉量

とりあえず、結論は吉野家を量るまで持ち越そう。最後、吉野家の「牛すき鍋膳」の肉だけを抜き出してキッチンスケールに乗せてみたところ重さは82グラム

吉野家は74グラムである。つまり、肉量は「すき家>吉野家>やよい軒」という結果になった。それぞれ20グラム前後離れていて、誤差で順位が変わらなさそうなくらいの差であることが興味深い。

というわけで、2023年冬のすき鍋は、こと肉量に関してはすき家の独壇場であることが判明した。ただ、誤解のないように言っておくと、すき家のすき鍋のコスパが良くてやよい軒のすき焼きはコスパが悪いと結論付けるつもりはない。本記事は肉量の違いが気になったから量っただけ。それ以上でもそれ以下でもない。

・際立つ個性

事実、やよい軒は一番味が染みていて白菜までご飯のおかずになるような味だったし、割下の味をとっても、すき家は醤油が強く、吉野家はあっさりしていて、やよい軒は甘いなど違いがある。

うどんにおいても、すき家は割下後がけの性質上普通のうどんなのだが、やよい軒はなべ焼きうどんのようなモチモチさがあり、吉野家なんて平麺で若干コシすら感じる。

というわけで、全てを食べて一番強く感じたのは際立つ個性のぶつかり合い。肉量で殴るすき家、じっくり味を染みさせたやよい軒、バランスの吉野家。2023年冬、チェーン店のすき鍋戦争は始まったばかりだ。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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