佐野ラーメンで知られている栃木県佐野市は、実は「クリケットのまち」でもある。日本で唯一の国際クリケット場があり、日本クリケット協会の本部もあるのだ。クリケットといえば、2028年夏にロサンゼルスオリンピックで実施される追加競技に決定したばかり。

おかげで佐野市は歓喜に沸いているところだが、今回の主役はクリケットではない。先日、佐野市国際クリケットで行われたイベントに行き、その帰り道で発見したバスが主役である。クリケット場のスグ近くで暗闇に佇む怪しいバスを発見したのだ。バスの正体は……

まさかのラーメン屋さんだった。


・かあちゃんラーメン

佐野市国際クリケット場から車で約1分、歩いても5分かからない場所にバスはある。地元ではそこそこ有名なラーメン屋らしく、店名は「かあちゃんラーメン」とのこと。営業日時は「金曜・土曜の18時〜25時」だそうだ。

もとは林道の脇に放置された廃バスなのだろうか。正直、バスから漂う雰囲気はラーメン屋というより心霊スポットである。日中ならまだしも深夜に廃バスに入るには勇気が必要だろう。初見ではなかなか入りづらいラーメン屋ではないだろうか。

しかし車内はちゃんとしたラーメン屋。カウンター席が4席、小上がり座敷もあり。地元の常連と思しき方々がビールを飲みながらくつろいでいる。秘密基地のような雰囲気の店内と穏やかな店主。思ったよりも居心地は良さそう。おつまみメニューも豊富だった。

今回は550円のラーメンを注文した。安い。


・ラーメン

5分ほど待つとラーメンがやってきた。透き通ったスープに、具材はチャーシュー、メンマ、ナルト、ネギ……いわゆる佐野ラーメンである。ラーメンは王道。

佐野ラーメン特有のさらりと飲める醤油スープに不揃いの麺。ハズレのない味だ。とくに伝統技法を用いたツルツルした食感の麺が最高にうまい。スープによく絡むし、口の中で踊る。

あっさり系のラーメンだから飲んだ後のシメにも良いだろう。遅くまで営業しているから、カウンターで食事をするだけより、座敷席でのんびり飲みながら過ごすのが正解かも。シメのラーメンは間違いなくしみる。550円という安さもありがたい。

ラーメンを食べ終えてバスから降りると……外は驚くほど静かだった。マジで周りに何もないのだ。なんというか、本当にバス車内は夢の中のような不思議な空間だった。

・今後さらに注目

国際クリケット場の来場者が増えれば、きっとバスラーメンも注目を浴びるだろう。怪しい雰囲気なのは確かだが、ラーメンはうまい。おつまみも美味しいと評判だ。機会があればぜひ勇気を出してバスに乗ってみてほしい。


・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名:かあちゃんラーメン
住所:栃木県佐野市栃本町4-5
時間:18:00〜25:00
営業日:金曜日・土曜日

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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