滋賀県といえば、真っ先に思い浮かぶのが琵琶湖である。国内最大の面積と貯水量を誇る湖である。次いで、私(佐藤)の脳裏に浮かんだのは、なぜか「ピエリ守山」だった。
かつて「明るい廃墟」と言われていたあの大型商業施設は、今、どうなっているのだろうか? ずいぶん前に大復活したとは聞いていたのだが、実際はどうなのか? 滋賀県に取材に訪ねた際に、現地でたしかめてみた。
・10年前に廃墟と言われていた
ピエリ守山は琵琶湖大橋東側のたもとにある店舗面積約5万平米の大型施設だ。2008年に約200店舗が出店するショッピングモールとして開業したものの、「リーマンショック」などの影響で元の運営法人が破綻。2013年の段階で営業店舗は8店舗まで縮小する事態となった。
広大な敷地にわずか8店舗しか営業していなかったことから、「明るい廃墟」と言われた、暗い時代があった。
運営会社が変わり2014年に12月にリニューアルオープンすることが発表され、約140店舗で再スタートすることが決定。
その中には、H&M、ZARA、GAP、GU、ABCマート、バーガーキングなど、現在も営業を続けるブランドが名を連ねている。
現在はJINS、カフェ・ド・クリエ、マツモトキヨシ、セリア、ニトリなど、生活雑貨や家具・家電、生鮮食料品からレジャー・スポーツに至るまでありとあらゆるものをここで買うことができる。
廃墟のような状況から明るい復活を遂げたといえるだろう。実際現地に行ってみると、遠くからでも活気のある雰囲気を感じ取ることができる。大手ブランドの名を見ると、なぜかしらホッとするのは気のせいではないはず。
平日昼間の到着すると、駐車場はほぼ満車、週末に混み合っていることが容易に想像できる。
中に入ると、まず天井の高さに驚く。豪華客船を模してつくられた施設内はとにかく広く、室内にも関わらず解放的な雰囲気が漂う。各店舗の床面積も広いので、ゆったりと買い物できる点も良い。
通路の導線は広く取られているのでカートやベビーカーの往来がしやすく、家族向けを意識した施設構造をしている。また、各所にトイレを備えており、案内板も見やすい。ホスピタリティの高さも感じられる。
フードコートにはキッズスペースも設けられている。ここも広々としていてボックス席を多く配しており、子ども用の椅子も多数用意されているので、子ども連れでも安心して利用できるだろう。
テラスに出ると、眼前に琵琶湖が広がっている。これこそがピエリの最大の魅力かもしれない。屋外には空中アスレチックやフットサル場。屋内には琵琶湖を一望できる温浴施設もあるのだとか。
たった8店舗しかなかった時代からは、考えられないほど活気に満ちている。多くの人にとって生活の一部であることがわかるのである。まもなくリニューアルから10年、この先も長く地元に愛される施設であり続けることを願っている。もう2度と「明るい廃墟」なんて言われないように。
・今回訪問した施設の情報
名称 ピエリ守山
住所 滋賀県守山市今浜町2620-5
時間 専門店・フードテラス10:00~20:00、レストランパーク11:00~21:00