以前は自宅でワインを飲むことが多かったのだが、妻の希望により、最近はもっぱらハイボールである。だったら特大サイズのウイスキーを買ってしまった方が経済的だろうということで、我が家には今、4リットルのブラックニッカが置いてある。

ただ、さすがにデカすぎて注ぎにくい。必要以上にドボドボと入ってしまう。もはやストレートだ。これはいかん! と思いアマゾンを頼ったところ……さすがアマゾン。最高すぎるアイテムを発見したぞ。その名も……

・『一押(いちおし)くん』!

だいぶフザけた名前ではあるが、アマゾン「ワインストッパー・バキュームポンプ」カテゴリにおいて、現在ベストセラー1位に輝いている。

正式名称は『ワンプッシュ定量ディスペンサー 一押くん』で、価格は税込1965円だ(2023年9月29日時点)。

・取り付けるだけ

ディスペンサーとパイプをつないだら、ペットボトルのフタを開けてドボンと挿入。キャップをしっかり回して固定すれば準備は完了である。


グラスを近付け、ワンプッシュするだけで……


約30mlのウイスキーを抽出できる。これはショット1杯分と同じ量であり、すなわちTHE 適量。


炭酸を注げばハイボールの完成だ! あまりにも簡単すぎて感動するぞ。まさかこんな便利な道具があったとは……。



いや、そういえば過去にセルフ飲み放題の店で何度か見かけた気がするな。飲食店には割と普通に置いてあるんだろう。


ただ、一点だけ注意! この商品には致命的なウィークポイントも存在するのだ。それはズバリ……


便利すぎること。


・要注意

はあ? と言われるかもしれんが、これはマジで切実な問題である。今にして思うと、『一押くん』がない頃の不便な状況はむしろ、飲みすぎ防止という重要な役割を図らずも果たしていたような気がしてならない。



つまり、重たいペットボトルを抱えてハイボールを作るという厄介な作業自体が、無意識のうちに自身のストッパーになっていたのだ。しかし今、私はその面倒な工程から完全に解き放たれてしまった。これにより、何が起きたかというと……


もう我を縛るものは何もない! 我無敵! 我武神ナリ!! 状態へと強制突入。氷 → ワンプッシュ → 炭酸 → バキューム → 以下繰り返しという闇の無限ループが完成してしまったのである。止めろ……ッ! 誰か俺を止めてくれ……!!


これでは便利を通り越して、もはや蟻地獄だ。こうして私はハイボール廃人、略して “廃々人(はいはいじん)” として生きることを余儀なくされたのだった。

・便利すぎるが故に

『一押くん』の性能は本当に素晴らしい。人気の理由はよく分かる。が、同時にそれは諸刃の剣であるということも理解しておいた方がいいだろう。特に自宅への導入は慎重に行うべし。さもなくばキミも、廃々人まっしぐらである。

参考リンク:Amazon「ワンプッシュ定量ディスペンサー 一押くん」
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.