出先で飲食店を探す際、マップの口コミを参考にする機会が増えた。しかし、どんな時代も一番参考になるのは信頼できる知人からの紹介……だと、筆者は考えている。
先日は先輩ライターにオススメしてもらった中華料理店へランチを食べに行ったところ、とんでもない神メニューと出会ってしまった!!
・ギリギリのネーミング
先輩とは当サイトの中澤記者で、オススメしてもらったのはギリギリすぎるネーミングで記事にもなった『大阪王』である。
大阪を中心に13店舗が展開されるチェーン店で、筆者が訪問したのは 中澤記者と同じ鶴橋店。
聞いていた通り道路を挟んで “大阪王将” があり、なにも知らずに訪れていたならば、王ではなく王将をチョイスしていたように思う。
入店してすぐの印象は「清潔感があってオシャレな店だな」というもの。このあとの写真にもチラリと写っているが、カウンターテーブルがタイル貼りなところにも、いい意味で中華料理店らしからぬ雰囲気を感じた。
・餃子……と思ったが!
席に着いた直後は、中澤記者にならって餃子&チャーハンを注文しようと考えていた。
大阪王も最近の物価高に合わせて値上げをしたようで、餃子6個で税込319円。それからチャーハンが税込638円で……と、メニューを眺めていたその時だった。
ラミネート加工されたランチメニューに目が行き、筆者の心は奪われた。
王の麻婆カレー(税込1200円)とな……って、なにっ? 麻婆豆腐とキーマカレーの合いがけだとっ!?!?
何を隠そう、筆者は麻婆豆腐とカレーが大の好物なのだ。
それにしても、麻婆豆腐ならともかく中華料理店のカレーなんて美味しいのだろうか?
説明書きによると「玉ねぎ、トマト、厳選された豚肉と約20種類のスパイスのみで作る水を一切使わない無水カレー」ということで、こだわって作ってはいるみたい。悩みつつも注文することを決めたのであった。
・中華カレーここに極まる
運ばれてきたのは、中華料理屋というよりはカフェで出てくるようなワンプレートだった。
麻婆豆腐にネギがトッピングされているところまでは、中華料理の守備範囲内だ。しかしライスにドライパセリ、カレーにフライドオニオンとパクチーまでトッピングしてあるのは、さすがに洒落過ぎているんじゃないだろうか?
まずはカレーをひとすくいしてみる。
ムムッ。ぱっと見だけでマスタードシードやクローブが入っているのがわかる。玉ねぎやトマトが混ぜ込まれているのも見えるし、本当にイチからお店で作っているみたいだぞ。
──そんなことを考えながら口に運んだ瞬間、ブワワワッとスパイスの香りがはじけた。
ちょっと待て。これは……美味すぎるぞ!!
トマトベースの甘辛いルーには、マスタードシードとクローブ以外にもコリアンダーシードやカルダモン(たぶん)といったスパイスがホールで入っていてスパイシー。プチプチと口の中で爽やかな香りとともに弾ける。
さらに特徴的なのが、一般的なカレー向けスパイスに加えて花椒も入っている点。花椒の痺れがあるだけで、カレーのテイストがインドから中国へ向けて一気に国境を越えるのだ。
辛さと甘さ、そして痺れが絶妙なバランスで口の中で混ざり合い、汗だくになりながらもバクバクとスプーンが進んでしまう。
餃子ではなくカレーを頼む意味がある、中華料理店にしか作れない究極のカレーであった。
もちろん麻婆豆腐も素晴らしい。
トロトロの絹豆腐に絡むのは、豆鼓(とうち)が浮かぶ肉の旨味たっぷりのあん。
辛さよりもコクに振った感じの美味しさで非常に米が進む。シャキシャキのネギとの相性もバッチリな絶妙バランス。マジでウッメェ~~!!!
・合いがけがオススメです
それぞれ単品で食べたい場合、『麻婆豆腐プレートランチ(税込900円)』と『スパイスキーマカレー(税込850円)』という選択肢もある。
しかし今回食べたカレーと麻婆豆腐、どっちが好きかと聞かれると答えに困ってしまう。両方とも捨てがたいほど美味しかったのだ……。
したがって筆者のおすすめは、今回ご紹介した『王の麻婆カレー』。中華料理屋の本気を見たい方は是非注文してみてほしい。
参考リンク:餃子専門店 大阪王
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.