『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』の公開が、2023年9月8日よりスタートした。前作『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』と違い、今回は完全オリジナルでなく原作漫画に登場する「エンジェルダスト」がテーマとなっている。
そのため、原作を知らなければ楽しめないのでは? と感じるかもしれないがトンデモナイ。本作では主人公・冴羽獠の魅力がこれでもかと発揮されており、新たに沼にはまる人が続出するであろう最高にワイルドをゲットした作品だったことを報告させていただく。
・冴羽獠と現代の街並みという奇跡のコラボ
今さら説明するまでもないだろうが、念のため『シティーハンター』について簡単におさらいしておこう。
1985年より『週刊少年ジャンプ』にて連載された北条司さんによる作品で、法で裁けないものと闘うスイーパー(始末屋)冴羽獠が主人公。
新宿を舞台に、パートナーである槇村香と共にさまざまな依頼を受け解決していくというストーリーだ。今回もこの2人と、いつもの仲間たちとで敵と戦っていく。
過去に劇場版だけでなく、アニメも作られていることは皆さんご存知の通りだが、本作でも当時と主たる声優陣が全く変わらないところがまずスゴい。
加えてもはやシティーハンターの代名詞のようになっている楽曲、TM NETWORKの『Get Wild』が引き続き使われている。なんという古参のファンに優しい作品だろうか。
一方で『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』では、古き良きを大事にするだけでなく、新しさも取り入れている。2019年に公開された<新宿プライベート・アイズ>と同様、現代の街並みが出てくるのだ。
あたかも現代の世にキャラクターが生きているかのような気持ちを味わえて、ちょっとした感動を覚える。また今の世の最新機器を、登場人物たちが扱う様も感慨深い。
個人的には、獠がアレをあんな使い方をしているところに “らしさ” が溢れていて「確かにこの時代を生きていたらそうするよな」と納得したものだ。
とにもかくにも、昭和から平成を生き抜いたキャラたちが令和の世でわちゃわちゃしているという奇跡が、とても良い。
・バトルシーンが最高にクール
また本作最大の魅力は、 バトルシーンであると感じた。シリアスな場面も多く、そうであるが故に本気を出した冴羽獠が描かれている。そして、その姿がはちゃめちゃに格好良いのだ。
普段はだらしない風を装っているが、マジになった獠はヤバいんだよな~~~! と、昔からのファンはテンションが上がること必至。
そしてこんな姿を見てしまったら、シティーハンターを知らない人でもドツボにはまることは確実である。それくらいに、特に戦いのシーンの冴羽獠がキレッキレだったのだ。
幸いストーリーを知らずとも、見ていれば何となくわかるように作られている。他作品のキャラクターたちもちょいちょい登場するなど、全体的に新規にもとても優しい作品であると言えるだろう。
長年シティーハンターが好きなあなたも、まだ見たことがないという人も、今すぐアスファルトタイヤを切りつけながら映画館へ行こう! 完璧で究極にクールな世界が待っているぞ!!
参考リンク:劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
▼令和の世にこそ『シティーハンター』は必要だと思う