つい先日、ポケモンGOのイベントで韓国の済州島(チェジュド)まで行ってきました。現在、東京から済州島までは直行便が無く、行きの飛行機でトランジットしたのが「金海国際空港」です。
「釜山空港」とも呼ばれる金海国際空港で、乗り継ぎ時間は約1時間半。小腹が減ったのでメシでも食べようと食堂に入ったところ「空港グルメ最強は韓国なんじゃね?」と思わずにいられませんでした。
・その昔、韓国にて
今から25年ほど前、当時19歳だった私(無職)は職に就くのがイヤすぎて、韓国に2年半ほど留学していたことがあります。大学生でも無かった私はプー太郎を満喫していたんですが、周りの友達が続々と就職し始めたんですね。
ほら、それくらいの年頃って「お前も男ならそろそろ……」みたいな空気があるじゃないですか? いま思えば19でそろそろ就職もクソもないんですが、当時は「やべえ、このままだったらマジで働かなきゃいけなくなるぞ」と焦っていたのです。
その前から父には「韓国に留学するなら金を出してやってもいいぞ」と言われていました。「韓国 = ダサい後進国」というイメージしかなかった私は何度かその提案を拒否していたのですが、背に腹は代えられません。就職するより韓国を選んだのです。
・イヤなこともあったけど
結果、韓国では相当楽しく過ごせたため「留学して良かった~」と心の底から思っていますが、イヤなこともたくさんありました。留学仲間で飲んでいると現地人から絡まれまくり、喧嘩沙汰になったことは10度や20度ではありません。
その他にも、年が1個でも上だと王様気取りで接してくる男にブチギレ、路上にツバを吐く女の子に幻滅し、おばさんたちの眉毛の入れ墨にゲンナリし続けたあの頃。おろしたての真っ白いYシャツに唐辛子が飛んだ時の絶望感たるや……それでも韓国は「ご飯だけは外したことが無い国」でした。
・ご飯だけは美味しい国
そう、韓国ってご飯だけは絶対に外さないんですよ。1度だけ「これ明らかに洗剤が入ってるだろ」という泡だらけの冷麺に当たった以外は、最低でも50点の「そこそこ」くらい。イマイチという記憶もほとんどありません。
もちろん味覚には個人差があるので “合う・合わない” はあると思うんですが、金海国際空港で注文した「プサン スユッ定食」は想像以上のクオリティ。スユッ(スユクとも書く)は茹でた肉のスライスで、酢醤油的な調味料で食べるポピュラーな韓国料理です。
価格は1万3000ウォンだったので、日本円で1400円ちょい。スユッの他には牛のスープとご飯、キムチなどが諸々ついています。お会計は先払いのフードコート形式、呼び出しも番号だったので言葉がわからなくても大した支障はないことでしょう。
・空港レベルではない
で、味に関しては「この店は相当ウマい、通う」ってほどではなかったものの「やっぱりウマいよね」くらいは確実にありました。点数にすると70点くらい? 少なくとも空港のレベルは軽く超えているのではないでしょうか。
これは「金海国際空港がすごい」という話ではなく「韓国料理自体が外さない」ってことなんだろうと思います。当時はぼったくってくるタクシーの運転手と対決するたびに「ヴォケこらーーーー!」と韓国を憎んでいましたが、料理だけは本当に外さない国、それが韓国なのです。
世界中の空港で料理を食べたワケでは無いのでわかりませんが「空港グルメは韓国が最強説」は真面目にあり得るのではないでしょうか? もし韓国よりも美味しい空港グルメを発見したら、その時はまたみなさんにお知らせしようと思います。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.