
最近、パッケージに「菌が違います」と書かれた発酵食品が増えた。
曰く、菌が違うことで味や効果に違いが出るらしいのだが……まったく同じ材料・製法で作ったとしても、本当に菌が違うだけで変化が起きるんだろうか?
疑問を解決するため、ふたつの会社が作る『八丁味噌』を食べ比べてみることにしたぞ!
・八丁味噌の作り方
そもそも八丁味噌とは愛知県岡崎市の特産品で、大豆と食塩のみを原料として作られた味噌。どて煮や味噌煮込みうどんといった郷土料理に使われ、地元の方から深く愛されている。
八丁味噌を作っているのは『まるや八丁味噌』と『カクキュー』の2社。両社はともに岡崎市内、しかも八丁町内の隣同士に工場を構えている。
競合同士があまりに近所にあることから興味を持ち、先日岡崎市を訪れた際に両社の工場を見学させてもらった。
聞いてきた内容をざっとご説明すると、八丁味噌の作り方は以下の通り。
①美味しさは素材選びから。良い大豆を選ぶ
②大豆を洗ったあと、水につけてふやかす
③大豆を蒸し、『みそ玉』と呼ばれる団子状に丸める。この時に麹菌が付く
④4日寝かせることで麹菌が繁殖し、みそ玉はみそ麴に成長
⑤みそ麹に塩と水を加えて木桶に仕込む。桶に職人が入って足で踏み、空気を抜いて固める
⑥桶の上に職人がひとつひとつ石を積み、二夏二冬(ふたなつふたふゆ。2年以上)熟成させる
蔵の中に6トンという巨大サイズの木桶がズラリと並んでいる様子は圧巻であった。
木桶は古い物になると、100年近く前に作られたものだというから驚きだ。
……ということで実際見てきた結果、2社の八丁味噌づくりは材料・製法ともにそっくり。両社の担当者の言葉を借りると「違いは麹菌のみ」ということであった。
・2社の八丁味噌を食べ比べてみた
こちらが まるや八丁味噌とカクキュー、両社のスタンダードな八丁味噌。
ふたつを食べ比べ、麹菌の違いでどれほど味が変わるのかを確かめてみよう! というわけだ。
まずは原材料、栄養成分表示を比べるとこの通り。
原材料名は大豆(三河産)、食塩だけという超シンプルな構成。成分に関しては、多少の違いはあれども似た内容と言って良いだろう。両社の違いが麹菌のみであることを再確認できた。
開封して味噌を取り出してみると、両方とも陶芸用の粘土のように水分量が少なくて固い。
まるや八丁味噌は比較的モソっとした質感で赤茶色く、対してカクキューはねっとりした質感で黒みがかっているかな。(カクキューにテカリがあるのは、ビニール袋に入れられていたため)
スプーンですくって取り出すと、その違いはよりわかりやすくなる。
まずは まるや八丁味噌から口に入れてみる。
味噌というイメージの割に塩辛さがなく、ナッツのような香ばしさとチョコレートのようなまろやかさ・濃厚さが口の中に広がった。
不思議なのは旨みが強いこと。出汁が入っているんじゃないかと思うほどに美味しく、大豆と塩だけで作られているとは思えない。そして特徴的なのが、後味で舌にぴりりと残る苦味と渋み。
以前粉末タイプの八丁味噌を食べたことがあるが、それよりも奥行きがある感じの味わいに感じた。
口をゆすぎ、続けてカクキューを口に運ぶ。
……おっ!? なんだか味が違うぞ!
ナッツのような香りと濃厚さ、出汁のような旨みは似ているのだが、塩味がより尖っていて口に入れた瞬間に感じられる。後味の苦味にもキレが感じられて、渋みは少ない。
ビギナーが抵抗なく食べられるのは 渋みが少ないぶんカクキューだと思うが、まるや八丁味噌の奥行ある味も捨てがたく、どちらも美味しいことに変わりはない。
冒頭で感じた「菌だけの違いで差が出るんだろうか?」という疑問に対する結論としては、菌による味の違いは確かにあった。
しかし、そこまで舌が肥えていない筆者は、料理にして出されたら見分ける自信がないのも事実である。
八丁味噌に限って言えば、「どっちが美味しいのか」っていうよりも「どっちの味噌が使われているのか」を知った上で食べることに意味がある……のかもしれない!
参考リンク:まるや八丁味噌、カクキュー
執筆・イラスト:高木はるか
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼八丁味噌はどて煮にしてみました。
▼カクキューの工場では味噌ソフトクリーム(税込400円)が食べられる。甘じょっぱくて美味しい!
高木はるか









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