消防博物館に行ってきた。いや、たまたま東京メトロ丸ノ内線・四谷三丁目駅を出てスグの場所に消防博物館があったのでチラッとのぞいてきたと言った方が正確かも。どうやら四谷三丁目駅の2番出口と直結しているらしい。アクセス抜群過ぎる博物館である。

江戸時代から現代までの消防の歴史に触れながら、防火・防災を学べる博物館だという。実際に活躍した消防自動車等の展示もあるのだとか。入館無料なのであまり期待せずに入ったら……けっこう衝撃的だった。いきなりエントランスで……

・いきなりヘリ

消防ヘリコプターがお出迎え。ドアが開いてまずヘリコプターが登場する施設はおそらく他にないだろう。なかなかの迫力である。四谷消防署に併設された無料の博物館で、正式名称は東京消防庁消防防災資料センター。開館は1992年12月とのこと。

受付で入館証を受け取り説明を聞く。とくに人気があるのは4階「消防の変遷」と5階「消防の夜明け(江戸の火消)」とのこと……てっきりワンフロアの博物館かと思ったらそうではないらしい。

ってことで、まずエレベーターで5階に行って、4階、3階……と階段でおりていく作戦にした。5階「消防の夜明け」では、消防のルーツである江戸時代の火消の誕生や仕組みについて紹介している。

当時は水をかけて鎮火せずに、燃え広がらないように周りの家を壊す「破壊消火」が行われていたらしい。「まとい」は火事場に近い家の屋根で振り回し、己の組の活動をアピールする道具だという。「うちのチーム(組)が頑張ってますよー!」と知らせるためのもの。

4階では明治から昭和までの消防機械や制服などを展示している。1880年に公設の消防が誕生。いよいよ水を使って消火する時代の到来である。明治時代の「馬ひき蒸気ポンプ」や、昭和51年まで活躍した「二輪消防車(赤バイ)」も展示されていた。赤バイが超渋い。


つづいて3階、現代の消防フロアも面白い。展示している消防ヘリコプターに乗って、映像を見ながら操縦気分を味わうことができるのだ。というわけで、阪神淡路大震災などで活躍した「アエロスパシャルSA365型ドーファンⅡ」に乗ってみることに。


スタートボタンを押すと映像が流れる。



けっこうリアルだ。迫力がある。



ひと通り、操縦体験を楽しんだ後は地下1階「消防自動車の変遷・ミュージアムショップ」へ。こちらのフロアでは大正時代から平成時代までに活躍した消防自動車を見ることができる。レトロなデザインの消防自動車がズラリと並んでいた。

東京の消防がはじめて消防自動車を導入したのは1917年。1923年の関東大震災時に性能の高さが認められて、一気に消防車両が増強されたそうだ。

平成時代に活躍したのに全然知らなかったのは「遠隔操作式消火装置(ジェットファイター)」。電話線等のケーブルトンネルや地下街の火災現場で、遠隔操作により消火活動を行っていたという。もしかしたらファンも多いかもしれない。

ミュージアムショップで人気なのは、オリジナルトミカ・消防ヘリの「こうのとり(1650円)」。1家族1個までとのことなので、興味のある方は早めにゲットするように。

というわけで、とても無料とは思えない博物館だった。実際に使われていた道具や車両を見るだけでも楽しめるが、体験型展示も最高なので興味があればぜひ足を運んでみてほしい。駅直結だから天候に関係なく楽しめるぞ〜!


・今回ご紹介した施設の詳細データ

名称消防博物館
住所:東京都新宿区四谷3丁目10番
時間:9:30〜17:00
休日:月曜日(祝日の場合は翌日休館)・年末年始(12月29日〜1月3日)・その他館内整備等で臨時休館あり

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.