大変恥ずかしい話だが、いびきがひどい。
別にひとりで寝ている分には、私の睡眠の質が低いだけで誰にも迷惑をかけないが、家族がいると大問題である。睡眠は健康の基本。家族の健康にも害を及ぼすわけにはいかない……。
3月にめでたく(?)結婚したのだが、パートナーは私のいびきがうるさすぎて毎晩耳栓をして寝る始末だ。忍びねえ。っていうか普通に新婚生活の危機である。
そんなある日、ドン・キホーテで私のいびき問題を解決してくれそうなものを発見した。その名も「静かに眠ってくれマスク」……。私のパートナーの心の声を代弁するようなネーミングである。
・いろいろ試していた
パートナーに毎晩、不穏なジャイアンリサイタルを聞かせているのも申し訳ないし、私自身の睡眠の質も落ちてしまうので、いびきはなんとかしたいところ。
この「静かに寝てくれマスク」を買うまでも、いろいろと対策はした。
まず、よくドラッグストアに売っている口元に貼って口が開かないようにするテープは、スキンケアの油分で剥がれてしまって無意味だった。というか、寝ている間に手で剥がしている可能性もある。
Amazonで売っていた「ノーズクリップ」という、牛の鼻輪みたいな鼻腔を広げるアイテムに希望を託したこともある。いびきがうるさいうえに鼻輪をつけた間抜けな女になっただけだった。間抜けな上に効果なし。最悪である。
なんかもっと強い力で睡眠中の口を閉じさせるものがあればいいのに……などと思っていたところ、ドンキで見つけたのが「静かに眠ってくれマスク」(1490円)であった。
「いびき対策」とは一言も書かれてないが、「静かに眠ってくれ」ってことは、たぶんいびき防止グッズであろう。
・強制的に口を閉じるマスクだが
仕組みはいたって簡単。口を閉じさせるために、頭に黒いバンドのようなものを巻いて寝る……というもの。原始的かつ強制的である。
袋から取り出すと、一見するとド派手な穴あきパンティみたいな黒い布が出てくる。
いびき対策グッズだと知らない人が、これが寝室にあるのを見たら、いかがわしいものを見てしまった……と誤解されかねない見た目である。まあ、実際は色気もそっけもないグッズなんだけど。
・実際に頭に巻いてみる
頭頂部と後頭部にマジックテープがついていて、頭のサイズに合わせて締めるらしい。
頭に巻いてギュッと締めると……
オウム真理教のヘッドギアみたいになった。
横から見ると抑えられた顎から唇が突き出していて滑稽……。穴の間から飛び出す髪の毛も間抜けだ。
いびきの音以前に、この姿でパートナーの愛が冷めそうだが、いたしかたなし。
実際に、このマスクをした状態で口を開こうとすると……口が開かない!
気分はいびきがうるさいレクター博士。無理やり口を開こうとすると、かなり強い顎の力が必要なので、自然と鼻呼吸になる。あと、口が開かないので喋れない。
今夜は「羊たちの沈黙」ならぬ、「いびき女の沈黙」なるか? ドキドキしながら眠りについた。
・翌朝……
翌朝、目が覚めると、ヘッドギア……じゃなかった「静かに寝てくれマスク」はベッドの下に落ちていた。
どうやら寝ている途中で苦しくなって外してしまったらしい。
パートナーに私のいびきについて聞いてみたところ、最初は静かに寝ていたらしいが、明け方からいびきをかき出した……ということだった。ガーン、効果はあったが、口を開けられないストレスで私の内なるレクター博士が明け方にマスクを外してしまったのだろう。
寝ている間の無意識っておそろしい。もはや「静かに眠ってくれマスク」をして、手を縛って寝るしかないのか?
・数日使ってみた
しかし、寝ているときに強制的に口を閉じさせるというのが効果絶大で、いびき対策グッズの中で「静かに寝てくれマスク」が一番効果があったのはたしかである。
その後も数日使ってみたが、朝までマスクをしたまま寝ているのは50%ぐらいだろうか。
マスクをはめた姿は非常に間抜けなので、いびきで愛が冷めるか、マスク姿で愛が冷めるか……どっちを取るか、という究極の選択を強いられている感じはある。
しかし、いびきで悩んでいる人は取り入れる価値はあると思う。ちなみに、ドン・キホーテ限定で発売されている模様。
今後もいびき対策グッズのレポートを続けていきたい。
参考リンク:Twitter
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
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