三国志の時代。劉備と諸葛亮孔明は、互いに離れることが出来ない親密な関係を「水魚の交わり」と称された。確かに魚に水は必要だろうが、水に魚は必要なのか? やや引っ掛けるものの、ハンバーガーとチーズは紛れもなく「水魚の交わり」であろう。
チーズは単品でもまだイケるが、チーズの入っていないハンバーガーの寂しさはもはや異常である。そういう意味で上野のハンバーガーショップ「アメリカンダイナー アンドラ」の『チーズに in したハンバーガー』は、幸福しかない究極のチーズバーガーと申し上げていいだろう。
・チーズバーガーの概念が変わる
ハンバーガーにチーズを入れたのがチーズバーガー……そう思っていた時期が……俺にもありました……。そう、我々人類がこれまで目にしてきたほとんどのチーズバーガーは「チーズが入ったハンバーガー」を意味していた。だがしかし……。
今回ご紹介する『チーズに in したハンバーガー』は、読んで字の如く「チーズに入ったハンバーガー」である。概念が違い過ぎて戸惑う人も多いとは思うが「チーズに入ったハンバーガー」がこの世には存在するのだ。
おそらく現時点で世界唯一の『チーズに in したハンバーガー』が食べられるのが、東京・上野の「アメリカンダイナ― アンドラ」。上野駅・稲荷町駅・入谷駅からそれぞれ徒歩圏内で、台東区役所から徒歩1分ほどで到着する。
・逆転の発想
ご主人によれば「チーズが冷めて味が落ちるのをどうにかしたい」という想いから構想が始まり、辿り着いたのが鉄板のチーズの海にハンバーガーを沈める “チーズに in” スタイル。正直、その発想は無かった。
アンドラの『チーズに in したハンバーガー』は単品価格1800円。カウンター席で注文すれば、目の前でアツアツのチーズの海にハンバーガーを沈めてしてくれる。その様子は一見の価値あり! 単なる映え映えタイムと言っていいだろう。
で、ハンバーガを手で掴んでディップするも良し、フォークとナイフで食べるのもまた良し。当然ながらチーズの風味は凄まじく、わずかな隙もなく最後までチーズを堪能できる。また胃もたれするような重いチーズでないところが、最後まで美味しく食べられる秘訣なのだろう。
加えて肉々しさ全開のパティもかなりウマい! アンドラでは丸く成形されたパティではなく、肉をゴロゴロとした状態のまま鉄板に押し付けて焼く「スマッシュ」を採用。外はカリカリ、中はゴロゴロとした荒々しいパティはチーズに全く負けていなかった(しかもパティ2枚入り!)。
・究極進化系チーズバーガー
これはある意味で「チーズバーガーの究極進化系」ではなかろうか? ご主人は「皿に戻しちゃったので退化かもしれませんよ(笑)」と言っていたが、ハンバーガーにチーズを入れるという思考から脱却した時点で、すでに勝負はついていたのかもしれない。
とにもかくにも『チーズに in したハンバーガー』が食べられるのはアンドラだけなので、興味がある人は1度召し上がってみてはいかがだろうか? チーズもそうだが、パティもかなりウマい! 日本唯一……いや、おそらく世界唯一のチーズバーガーをぜひ体験していただきたい。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 アメリカンダイナ― アンドラ
住所 東京都台東区東上野5-13-7
時間 ランチ11:30~14:00 / ディナー18:00~23:00
休日 日曜日
参考リンク:アメリカンダイナ― アンドラ(Instagram)
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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