栃木県佐野市といえば「佐野ラーメン」が有名。地元の方はそれぞれ行きつけのラーメン店があるそうで、先日うちに来た光回線の工事業者の方は「おやじの店3号店のランチセット」を勧めてくれた。観光客向けというより地元の人向けの渋いラーメン店だった。
同じ流れで、今度は地元を走るタクシー運転手にお気に入り店を尋ねてみたところ「まずはあそこがいいんじゃないかな。私は餃子おこげが好きですね」とのこと。「じゃあ、そのお店までお願いします!」ってことで、運転手さんのオススメ店に行ってきたでござる。
・タクシー運転手さんオススメのお店へ
人口10万人当たりのラーメン店舗数が全国でトップクラスを誇る佐野市。どの道を走っていても「佐野ラーメン」の看板が目に入る。聞けば、市内には約150軒のラーメン店があるそうだ。「週末になると人気店の前は渋滞するんですよ」と運転手さん。
さて、やってきたのは田村屋という地元では超が付くほど有名なラーメン店。おなじく市内で人気のある「日向屋」や「ようすけ」も同店で修行を積んで独立したらしい。いきなり佐野ラーメンの総本山に連れてこられてしまったようだ。
まあでも佐野市内でタクシー運転手をしていれば「佐野ラーメンの美味しいお店まで」と何度もリクエストされるに違いない。おそらく誰もが納得する人気店なのだろう。観光ガイドブックにも載っているはずだ。ただ、少し気になったのは……
「私は餃子おこげが好きですね」という言葉。乗客から好きなラーメン店を聞かれて市内でトップクラスの有名ラーメン店を紹介しつつも、さりげなく「餃子おこげが好きです」と付け加えるとは……なんだかお洒落なワザを披露された気がする。絶対に頼みたくなるだろ。
席を待っている間、レジ横に『餃子おこげ(330円)』があることを確認。なるほど、煎餅みたいなやつか。帰りに買おう。5分ほど待ってカウンター席に案内された。
メニューを確認すると、人気ナンバー1の『味玉チャーシューメン(1220円)』が目立っている。どうやら「とろとろチャーシューととろ〜り煮玉子がさいくぅ〜!」らしい。総本山(勝手に決めつけているが)とは思えないテンションの高さでビビる……頼んでみることにした。
・味玉チャーシューメンさいくぅ〜!
さあ、さいくぅ〜な味玉チャーシューメンの登場である。透き通ったスープに大判のチャーシュー、鮮やかな味玉とメンマ、そしてネギが乗っている。見た目は素朴ながらやはり名店、めちゃめちゃうまかった。
さらりと飲めるスープにはチャーシューの旨味と甘みが溶け出している。思わず飲み干してしまうほど美味しい。佐野市には環境省の名水百選に選ばれた「出流原弁天池」があるのだが、あの名水が美味しいラーメンを作り出しているという。名水あるところに名ラーメンあり。
太さの異なる麺は青竹手打ちによるもので食感はツルツルモチモチしている。聞くところによると、麺が不揃いだからスープの絡みや舌触りにアクセントが生まれるそうだ。口に入れると麺が踊るのは佐野ラーメンの特徴と言えるだろう。
豚バラチャーシューはトロトロジューシー。んで、どれもデカいしうまい。ボリューム満点で腹一杯。タクシーの運転手さんが「まずは」と言った理由が分かった気がした。佐野ラーメンの魅力を存分に味わえる1杯である。大満足。
・あいつを忘れちゃいけない
……てか、そんなことよりである! いやそんなことと言ったら失礼なのだが、ついでに買った『餃子おこげ』がヤバかったのだ。
餃子の旨味がガッツリでサクサク軽い食感……うますぎる! 軽い気持ちでひと口食べたらマジで止まらなくなった。もっと買っておけば良かった。おつまみ甲子園があれば、かなりいいところまで勝ち進むはずだ。優勝もある。餃子おこげさいくぅ〜!
というわけで、運転手さんありがとうございました。栃木県佐野市に来る機会があれば、ラーメンはもちろん餃子おこげも忘れずにチェックしておくこと。お土産にもおすすめだ。マジで止まらなくなるぞ〜〜。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 田村屋
住所 栃木県佐野市浅沼町780-3
時間 11:00〜15:00 / 17:00〜21:00(平日) 11:00〜21:00(土・日・祝祭日)
休日 水曜日(祝日の場合翌日)
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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