関東地方を中心に店舗を展開しているスーパー「肉のハナマサ」には、業務用商品だけでなく一般向けのものも売られている。中でもお得なのが自社ブランド商品。自身のプライドが込められているとあって、価格安く品物もしっかりしている傾向にあるからだ。

んで、個人的にハナマサで気に入っているのが袋麺のとんこつラーメン。なにせ、1袋あたり50円ほどと爆安ながら味は九州の絶対的存在である「うまかっちゃん」にソックリなのだ。なので先日、新たにストックを買おうとお店に行ったのだが……

・棒ラーメンもある……だと……

なんと棒ラーメンの博多とんこつラーメンが売られていたから思わず手に取った。麺の好みに応じて棒も出しているのかなと思ったら4食入りでお値段322円。袋麺が5食入りで268円だったからつまり……1食あたり27円もの差があるではないか!

同じプライベートブランドにおいて、この差は大きい。しかも、よく見たら製造者(加工者)が異なっていて実に興味深いから買ってみることにした。

なお、袋麺の製造は静岡県浜松市で、棒の博多とんこつラーメンは長崎県南島原市。どっちも福岡じゃないんかいと思ったことはさておき、パッケージには「お手軽に本場の味を楽しめます」と書かれていた。ならば見せてもらおうか、本場の味とやらを!


・袋麺とどう違う?

ということでいざ実食。何がどう違うのか比較するため袋麺も用意した。とりあえずともに中身を取り出してみたところ……


袋麺はちぢれ麺で棒はもちろんストレート。そしてスープは袋麺が粉末なのに対し、棒ラーメンは液体スープになっていた。作り方に関してはこれといって違いがなく、使用するお湯の量も50mlしか変わらなかったからほとんど一緒だと言っていいだろう。


そしてこちらが完成形。見た目から分かるように棒ラーメンの方が随分と濃い感じがする……のだが、スープをよく見ると袋麺の方にはゴマが入っている一方で棒ラーメンは何もなかった。ふむ……そうすると、味に値段分の差がつけられているのだろうか。

袋麺はツルツルした麺で優しい味……麺がツルツルしてなければ冒頭でも書いたように「ほぼうまかっちゃん」。では、棒ラーメンはどうだったかというと……

棒ラーメンだけに麺に小麦感とコシがあってしっかりしていた。スープの方は攻めているけどやりすぎない姿勢も感じ取れるといった感じだろうか。エッジを効かせたいけど、広く売られることを考えるとオラオラしまくることはできない……的な。

とはいえ、袋麺に比べたら断然濃い味付けをしていたからまぶたの裏にロードサイドのラーメン屋がうっすら見えたような気がする。値段が値段だけに高級感こそないが、本場の味を思い出すようなとんこつラーメンにはなっていた。


・外の感じを出すなら棒

ハナマサの棒ラーメンを一言で表すなら そつがない一杯。どこかわずかにピリッとしているのがよかったし、こういうのでいいんだよのいい例と言えるのではないだろうか。普通、でもきちんとしたとんこつラーメンみたいな。

それにしても同じハナマサ、同じとんこつラーメンでありながら、それぞれ特徴があって面白かった今回の食べ比べ。お得さをとるなら袋麺、麺のコシなどにこだわるなら棒ラーメン──というのが個人的な感想だ。少しでも外で食べている感じを出したいなら棒ラーメンかな。

執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.

▼左が袋麺、右が棒ラーメン