普段からよく目にするのに、1度も利用したことがないお店はたくさんある。私(佐藤)にとって原宿の「ダブルトールカフェ」もそんなお店の1つだ。あの黄色い看板を何度目にしたかわからないくらい店の前を通っているのに、入ったことがない。

この店を知らずして一生を終える訳にはいかん! ってことで店に行ったら「紅茶のエスプレッソ(ティーエスプレッソ)」が目に留まった。人生で初めて飲んでみると、渋い! 渋すぎる!! でもそれがめっちゃ良かったのである。

・老舗カフェの紅茶エスプレッソ

原宿のお店は1994年創業の老舗だ。外の看板には「やけに珈琲にこだわった食堂」と掲げられており、食事のメニューも充実しているそうだ。ちなみにグループ店も含めて都内に6店舗、北海道・秋田・仙台・名古屋にもそれぞれ1店舗ずつある。


前からずっと気になってはいたんだよね。いつか行こうと思いながら、気が付けば上京して20年近く経過していた。今日こそ行くぞ!


“やけにこだわった” コーヒーを飲むつもりだったんだけど、表にあった「世界特許 紅茶のエスプレッソ」が気になってしまった。紅茶葉をエスプレッソコーヒーと同じように抽出しているそうだ。ただ長時間煮出しただけの濃い紅茶ではなく、独自の製法で専用茶葉から抽出しており、特許登録・商標登録も行っているのだとか。


どんな味なのか気になる! ってことで、「コレください」とお願いしたら、そのまま飲むのではなく、レモンスカッシュやコーラで割るのが一般的とのこと。そうしないと、渋すぎるらしい


それでも私は「そのままを飲んでみたいんです」となぜか食い下がって、紅茶のシングルエスプレッソ(税込400円)を注文した。

「渋いので、レモンを絞るか砂糖を入れて飲んでください」とさらなる助言をたまわった。この段階でも、まだ私はコーヒーのエスプレッソを飲むくらいの気持ちでいた……。


が! 再三にわたって忠告を受け理解していたにもかかわらず、実際の味はその想定を軽く超えてきた! 渋! 激渋!! 渋すぎる!


かーっ! あれほど繰り返し教えてもらってるんだから、素直に聞いておけよ! と我ながら思う。このままでも飲めるけど、美味しく飲みたいのでレモンをギュッと絞って、砂糖を適量投下。


チビチビと味わっていると、ただ渋いだけではないことがわかった。ギュッと濃縮された茶の旨味の塊みたいだ。レモンを加えることでいくぶん角が取れ、ほのかな甘さも伴っている。

嫌いじゃないな、この味。コーヒーのエスプレッソもいいけど、紅茶の方が気持ちが和む。あえて例えるとしたら、コーヒーエスプレッソはカルテット(4人編成)のジャズ、紅茶エスプレッソはカルテットのクラシックかな。トランペット×2、ホルン、トロンボーンくらいの金管四重奏みたいな感じ、パキッとしてるんだけど芳しく品がある。


・スイーツとの組み合わせが最高

一緒に「はちみつレモンのレアチーズケーキ」(税込650円)を頼んだんだけど、これがことのほか美味かった!


というのも、紅茶を飲んだ後だから、甘さの感度が激上がり! ケーキをひと切れ食べただけで、あま~~~い! ってなっちゃった訳よね。


ケーキそのものもとても美味しくて、上のゼリー部分のレモンピールにさわやかな香気を感じる。チーズケーキはくちどけ滑らかで、下部のクランブル生地との食感の対比が楽しい。紅茶エスプレッソ × スイーツの組み合わせはとても良いと思う。とくに甘いモノが好きな人にオススメしたい組み合わせである。

ということでコーヒーもいい。クリームたっぷりの甘いドリンクもいいと思う。けど時には、苦さや渋さを知るのも一興。人生も同じように、ときには渋い思いをすることも大事。その方が、楽しいことはより楽しく感じるもんですよ。たまには渋さも味わおう。 


・今回訪問した店舗の情報

店名 ダブルトールカフェ 原宿店
住所 東京都渋谷区神宮前1-11-11 グリーンファンタジアビル2F
時間 11:00~21:00(L.O.食事20:00、ドリンク20:30)

参考リンク:ダブルトールカフェ
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24