この1年、趣味に「散歩」が加わった。自分の足で歩いていると車や自転車じゃ分からない景色や気づきがあるし、何より自分自身が健康的。しかも、今の時期は寒くもないし暑くもないから最高なのだ。
さぁて、散歩に行くか……! 週末に行ったことない土地を冒険するのが私の些細な楽しみになっているのだが、天気は晴れても気が晴れないというか散歩に暗い影を落とす現象が繰り返し起きている。単刀直入に言うと、歩道を歩いていたら自転車にキレられるのである。
・自転車は軽車両
2023年4月1日から自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化となったようにちょいちょい改正される道路交通法。その中で自転車は軽車両として扱われていると聞いて「知ってる上でルールも守っている」という人はどれくらいいることだろう。
個人的な感覚だとそこまでで、多くの人は軽車両というのを大して気にすることなく自転車を走らせているように感じる。道路が整備されていないところも少なくないため、現実問題なんだかんだ曖昧になっている部分もあって、あまり意識されていないような……。
というのも、前述のとおり歩道を歩いていたら自転車にキレられることがしばしば。警視庁のHPにも書かれているように、自転車は軽車両だから車道を走らなければいけないにもかかわらず(例外あり)、歩行者が邪魔だと言わんばかりに悪態をつく人が一定数いるのである。
もちろん、マナーよく自転車で走っている人はたくさんいる……その姿を見るたびに「ちゃんとしているなぁ」と思うものの、一部がとにかく悪質ですべてを無にする。チリンチリンとベルを鳴らすだけにとどまらず、追い抜く際に舌打ちする人がいればため息をつく人に遭遇するのが多いこと多いこと……!
・悪態が理解できない
そして驚くべきことに振り返って顔を確認したら、年齢や性別は関係ないからゾッとする。経験上、多くはオッサンではあるも「えっ……!?」と二度見するような人から悪態をつかれたこともあった。変に揉めたくないので、感情を押し殺してスルーするのだが……
腹ただしさと同時になぜキレるのだろうと不思議に思う。その背景には「キレやすい」という時代も関係しているのかもしれないが、私には乱暴な自転車の運転がどうも理解できないのだ。なにせ、警視庁のHPには次のように書かれている。
車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
普通自転車が歩道を通行することができる場合は『歩道に「普通自転車歩道通行可」の標識等があるとき』『13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者、身体の不自由な人が自転車を運転しているとき』『普通自転車の通行の安全を確保するためにやむを得ないと認められるとき』──と。しかも……
・罰則
罰則も「2万円以下の罰金又は科料」と明記されている。また、自転車は免許もいらず便利な反面、トラブルを起こしやすい乗り物でもある。過去には加害者となって高額賠償になったケースもあるため、自分本位で歩道を走ってブチギレている場合ではないのだ。
ヘルメットしかり、改めて自転車の運転が見直されている昨今。すでに時代は知らなかったで済まなくなっている。歩道でキレるような運転をしていたら、いつか自分に跳ね返る。明日は我が身となる前に、自転車を運転する人にはきちんとルールを知っていただきたい。
参考リンク:警視庁、PDF
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.