香川県や大分県が「うどん県」「おんせん県」と名乗っているように、栃木県鹿沼市は「いちご市」と名乗っている。しかし、そんな鹿沼市は数年前から「シューマイの街」にしようと意気込んでいるらしい。攻めの姿勢がハンパではない。

シューマイと聞いたら、おそらく多くの方が「シウマイ弁当」で有名な横浜の崎陽軒を思い浮かべるだろう。実はあの崎陽軒の初代社長が鹿沼市出身ってことで盛り上がっていて、JR鹿沼駅前には「シウマイ像」まで設置したそうだ。

シウマイ像とは一体……もしかして宇都宮の餃子像みたいなものだろうか。そう思って現場に足を運んでみたら、衝撃的過ぎるモニュメントが駅前にあって絶句した。

・鹿沼駅

というわけで、やってきたのはJR日光線の「鹿沼駅」。路線図を確認したら宇都宮駅から2駅だった。「あっちは餃子だからこっちはシウマイ」という対抗意識があるのかもしれない。そういえば、地元の方から「餃子で使うニラは鹿沼が有名」と聞いたこともある。


それはさておき、シウマイ像はどこだろうか。駅前ロータリーを見渡してもシウマイは見当たらず。ただ、街路灯に取り付けてあるフラッグには「かぬまシウマイ」と書いてあるので、シウマイをPRしているのは本当のようだ。


・謎の巨石

それと「像」と呼んでいいのか分からないが、何やら謎の巨石が横倒しになっている。イギリスの世界遺産「ストーンヘンジ」のような謎めいた雰囲気。鹿沼市の七不思議なのかも。一体これは何なのだろうか……


…………


これがシウマイ像だったッッッ!!


いやいや前衛的過ぎィィィイイイイイイイイイイイ! おそらく100人にこの巨石を見せても、シウマイと答える人はいないだろう。いや、それがアートの世界なのかもしれない。とはいえ、一体どのあたりがシウマイなのだろうか。説明を読むと……


・にぎる

シウマイが幾多の人の手で握られて作られてきた野並氏(崎陽軒の初代社長)という言葉から、テーマを「にぎる」に据えて作ったものだという。シウマイ像の内側に「一握の形」が彫られているのだとか。見えないのもアートということか。深い。宇都宮とは大違いだ。

逆に気になる……という点ではアリなのかも。シウマイ像の裏には崎陽軒名物の醤油入れ「ひょうちゃん」が並んでいた。シウマイの聖地だということが分かる唯一の手掛かりと言っていいだろう。ありがとう。


・松尾芭蕉

シウマイ像の後ろには松尾芭蕉がいた。『おくのほそ道』の道中、鹿沼に一泊したのだとか。こっちはめちゃめちゃ分かりやすいな。

というわけで、横浜にもない「シウマイ像」は鹿沼駅前にあるので興味があればぜひ見に行ってみてほしい。美味しいシウマイ店もたくさんあるらしいぞ〜!


参考リンク:鹿沼駅
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.