「崎陽軒」といえば、横浜発祥のシウマイの老舗だ。創業(1908年)から100年以上を経て、今もなお看板商品のシウマイ弁当は高い人気を誇っている。シウマイそのものはもちろんのこと、あの弁当に入っている筍煮もまた人気商品としてよく知られている。

そんな筍煮だけを購入できるのをご存じだろうか? だけだ! ”with シウマイ” ではない! ”without シウマイ” で買えるんだよ! もはや崎陽軒はシウマイを買うところではなく、タケノコを買う店として活用すべきだ……。

・シウマイ弁当と合体するはずだった

私(佐藤)が今回紹介するやり方は、横浜中華街のシウマイBAR(バル)を利用する。シウマイBARはここと東京駅一番街、それから横浜スタジアムにしかないレア店舗である。

ちなみに東京駅のお店では2016年からタケノコの注文が可能で、そこでも私は注文している。しかしながら、タケノコだけの注文に挑むのは今回が初めてだ。


横浜中華街の店舗は山下町交番のすぐそばにある。まるで観光客を待ち構えているがごとく、中華街の入り口付近に看板を掲げている。


このお店は土産物の販売のほかに店内でのイートイン、それから食べ歩き用のテイクアウトメニューを提供している。


ご覧あれ、メニュー最下部に「筍煮」(税込310円)とあるだろ!


その気になれば、中華街をタケノコ食いながら小粋に歩くことができるんだぞ! オシャレが過ぎるだろッ!!


ってことでさっそく注文しよう。今回シウマイは頼まない。私はついにシウマイの力を借りずに、タケノコを手に入れることになる。いささか緊張するな、券売機に触れる指先が震えている……。


筍煮もさることながら、下の段のシリーズ化された「ワンタンスープ」も気になるな……。


ヨシ、券売機で購入完了。「TO筍煮」、つまりTakeOut筍煮だな。アルファベットが付くとなんかカッコいい。


そして無事に家までブツを持ち帰ることに成功した。「シウマイなくしてタケノコなし」、それはすでに過去の格言だ。シウマイなくてもタケノコあり。「親はなくても子は育つ」というじゃないか。タケノコだって独り立ちしたい時期なんだよ、温かく見守ってやろうじゃないか、なあ。


……さて、これがシウマイ弁当と合体するはずだったタケノコである。強力な化学化合物の成分を分離することに成功した気分である。


できるだけ刺激を与えないように慎重にフタを取ると……。おお! 美しい!! 純度の高いタケノコだな。隠語で「トロ」とか「純トロ」とか言われる類のモノを想像してしまうのは、私だけだろうか? 私だけだな、うん。


これがタケノコだ。私は1粒ずつゆっくりと噛みしめて、その美味しさを堪能した。


できるなら日に1個ずつ食って、1カ月くらい楽しみたいところではあるが、日持ちしないのでその日のうちに全部食った。ウマさに悶えたことは言うまでもない

ということで、タケノコ好きはシウマイBARに行ってみて~!


・今回訪問した店舗の情報

店名 崎陽軒 中華街シウマイBAR店
住所 神奈川県横浜市中区山下町185
時間 11:00~19:00 土日祝11:00~20:00(イートインL.O.は閉店1時間前)

参考リンク:崎陽軒
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24