過去に何度も書いていることだが、私(あひるねこ)の中での丸亀製麺ツートップは断固として『あさりうどん』と『鴨ねぎうどん』である。これは今後も揺らぐことはないだろう。しかし、そこに本気で食い込んできたのが、2021年に初登場した『トマたまカレーうどん』だった。
一度食べたら抜け出せない異常な中毒性によって、多くの丸亀製麺ファンを虜(とりこ)にしてきた『トマたまカレーうどん』。その待望の新作が発売されると聞いた私は、メディア向けに開かれた先行試食会に足を運んだのだが……。
・丸亀製麺の新商品
正直に告白すると、本日2023年4月25日より期間限定で販売される新作『豆乳仕立ての冷やしトマたまカレーうどん』(並・税込840円)に対し、私はあまり……いや、ほとんど期待を抱いていなかった。
それよりは同時発売されるかつての名作『トマたまカレーうどん』(並・税込790円)と、『とろける4種のチーズトマたまカレーうどん』(並・税込890円)を目当てに試食会に参加したというのが正直なところだ。なぜか?
だってアンタ、冷やしやで? 『冷やしトマたまカレーうどん』やで? こちとら冷たいカレーうどんを食べたいと思ったことなんて、生涯でただの一度もない。なんだかおいしい未来が想像できないというか……ちょっとこちらの実物を見てくれ。
作ってくれた人には大変申し訳ないが、カボチャのスープかよ。カレー感が希薄すぎるだろ。まったくもって自分の中のカレーレーダーに引っ掛からないので、これは記事的にはスルーかなぁ……と思いながら一口食べてみたところ、ここで予期せぬ事態が発生した。
おや?
え、待って。もしかしてこれ……
一番ウマくね?
・世紀の番狂わせ
そう、この展開は私にとっても完全に想定外だった。何の期待もせずに食べた『豆乳仕立ての冷やしトマたまカレーうどん』が、あれだけ好きだった『トマたまカレーうどん』の遥か上を行くウマさだったのだ。これは一体どうしたことか。
まず最初に感じるのは、トマトの酸味が全面に出たカレーだしのクリーミーな口あたりである。濃厚だが、豆乳クリームのおかげなのか思った以上にまろやかで、通常の『トマたまカレーうどん』よりもマイルドな仕上がりになっている……と言いかけた次の瞬間。
うおおお……! ガツンとした鈍器のような辛さが、カミソリのように鋭利な切れ味を伴って、口の中で大暴れを始めたではないか。いや辛い辛い辛い辛い! 従来の『トマたまカレー』がベースになっているだけあって、カイエンペッパーの刺激は相変わらず強めである。
いやそれどころか、これは通常の『トマたま』よりも辛めでは……? 現場にいた開発担当者に確認したところ、たしかに今回の『冷やしトマたま』は、『トマたま』よりも辛く作られているそうだ。おいマジかよ! 何してくれんだコラ!! 前ので十分すぎるほど辛いんだよ!
にもかかわらず、どうして私は先ほどから箸を止めることができないのだろう? 実はうどんを水できゅっと締めていることが思いのほか大きいような気がする。コシが強く、のど越しの良い冷たい麺と冷たいカレーだしが、こんなにも相性抜群とは知らなかった。もう元の麺に戻れないレベル。
もちろんそれだけではない。だしの上に盛られている “かつお粉” と、今回新たに加えられた “クミン” の融合によって生まれる、エスニックなんだけど同時に和風な味わいは中毒性高し。この両者のバランスがかなり絶妙と感じた。
さらに、担当者が開発のポイントとして挙げたのが “干しエビのペースト” で、聞くところによると、これが『冷やしトマたま』特有の “やみつき感” をアップさせているそうだ。まさに合法ドラッグとしての干しエビと言えよう。
・確実にスタメン入り
当日はもちろん通常の『トマたま』の試食もあったのだが、『冷やしトマたま』を通過した後では、もはや物足りなさすら感じてしまった。
冒頭で私は『あさりうどん』と『鴨ねぎうどん』が丸亀製麺のツートップと書いたが、今後は『あさり』『鴨ねぎ』そして『冷やしトマたま』を総称して、丸亀三賢人と呼ぶことにしたい。6月中旬までの販売予定なので、ぜひ期間中にご賞味あれ。
参考リンク:丸亀製麺
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
▼毎度おなじみ『ひと口ごはん』付き。
▼温かいごはんに冷たいカレーというのも乙なモノである。