
なんでも売ってるAmazon。生活用品から嗜好品、ブランドものから激安中華製品まで、なんでもありすぎて掘れば深い世界である。そんなAmazonにおいて猫語の小説が販売されているのを発見した。
本の名は『Meow: A Novel』。著者はサム・オースティン(Sam Austen)という外国人である。Amazonの商品説明によると猫のために猫ネイティブで書かれているとのこと。猫語の小説とはこれいかに……?
・サム・オースティン
Amazonページの試し読みには表紙と裏表紙しか掲載されていない。表紙は猫の写真であり、裏表紙には英語で本の説明らしきものが書かれている。その説明によると、この本はサム・オースティンのデビュー小説であるようだ。いや、サム・オースティンって誰やねん。
そんな著者の来歴がAmazonページには書かれている。著者についてという記述をグーグル翻訳にかけた結果が以下の通り。
「サム・オースティンは、国際的に認められた作家であり、猫の心理学の教授でもあります。 2021年、彼は最高傑作である Meow の制作を開始し、最終的に彼は物理的に猫に変身し、湿った段ボール箱の下に退却しました」
──最後カフカみたいになってもうとる。なんか嫌なことでもあったんだろうか。デビュー作なのにすでに国際的に認められてるし。だが、猫の心理学はググったらマジであるみたいなので微妙にホントなのか冗談なのか分からない。ふざけやがって。というわけで買ってみた。
ペーパーバック版は税込み2540円。高えッ! と買う時は思ったのだが、現物を見てみると……
めちゃめちゃ分厚い。
・内容
西尾維新くらい書いてる。猫語でこれだけ書けるのは凄い。意外と才能と手間が詰まった作品なのかもしれない。と思いきや、読んでみたところ……
全部「meow(ミャオ)」だ。
例えば、目次の1個目のタイトルは「MEOW」で2個目は「MEOW,MEOW MEOW」。文章は「Meow meow meow meow meow,meow.Meow meow meow meow.Meow? Meow」という感じ。それで埋め尽くされたページが341ページまである。
・ガチで読んでみた
よしんばこれが本当に猫語だったとして、猫にこんなの読む集中力ないだろ。しかし、私は2540円払ってしまっている。そこでガチで読んでみた。
文章の中には、たまに “” で区切られた部分が出てくる。なるほど、ただのコピペではなく、登場人物がちゃんと会話もしているわけか。まあ、登場人物の名前すら分からないんだけど。
・気づき
とは言え、会話のパートが分かるだけで流れがある気がする。「あっ! 今しゃべった!」的な感動があるのだ。また、猫がモノローグしてると考えるとそれはそれで可愛いのである。逆に言うと、行間しか読むところがない。そんな感じで読み進めていくと、あることに気づいた。
たまに記載の違う鳴き声が紛れているのである。例えば、30ページのタイトルの3つ目の鳴き声は「MEOW」ではなく「MEW」だ。また、138ページ、230ページ、306ページには「m’eow」という何かを略しているかのような鳴き声があるし、その応用的な「m’meow」という鳴き声が229ページに登場する。
さらには279ページと312ページ、314ページ、341ページには「meow-meow」という記載があり、326ページには「meow: meow」と書かれている。極めつけは323ページ。なんとこのページの中頃に記された鳴き声が「MEOW」なのである! タイトルでもないのに全部大文字だとォォォオオオ!?
だが、わからん。
気まますぎてマジで猫が書いてるんじゃないかコレ……。あっ、それはそれで可愛いかも! もはや、300ページ目くらいから「meow」が「mercy」とか「now」とか「over」とか「never」に見えてくる。ゲシュタルト崩壊ってローマ字でもあるんだなあ。
・絶賛
なお、本書のAmazonレビューは、満点の星5つが85%に達しており、残り15%が星4つ。コメントでも「史上最高の本」「間違いなく、猫好きにとって素晴らしい小説」などと評価されている。
ちょっと気になるという方はKindle版が税込み658円と4分の1の価格なのでこちらをオススメしたい。ちなみに、Audible版(税込み3100円)も販売されており、形式のバリエーションだけ無駄に豊かなところが腹立たしい。
念のため、Amazonの著者ページに飛んでみたところ、最新情報の項目にサム・オースティンらしき人物が猫に話しかける動画がアップされていた。猫語で猫に話しかけ無視されるサム・オースティンらしき人物。その声は完全にオッサンである。オッサン何やっとんねん!
参考リンク:Amazon
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
中澤星児






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