誰にでも買い物で失敗した経験はあるだろう。私(佐藤)にも「何で買っちゃったんだろう……」とあとから振り返ることがよくあるのだ。でも買わずにいられないものに遭遇してしまうこと、あるよね? ね? 最近あるガチャの筐体を目にしてしまい、なぜか「これは買わねば!」と思ってしまった。
その筐体には「おじいちゃんのクソどうでも良い「なんでもベスト3」ガチャ」と書かれている。中身はただの紙切れだ。やっぱり買っちゃったんだよね。あとから「なんで買っちゃったんだろう?」と思いながらも、その内容が深くて「人生」を考えてしまった……。
・ムダにガチャを買ってしまう
私の “ムダなモノ買い” は生活習慣病のようなものだ。とくにガチャをムダ買いすることが多く、昨年話題になった「赤の他人の証明写真」ガチャも、どうしても購入したくなってしまい、Twitterで目撃情報を探り販売場所をGoogleマップで調べ、ストリートビューで現場の画像をたしかめた上で買いに行った。
購入した瞬間は「やったぜ!」となっているのに、5分くらいすると「何でコレ買ったんだろう、そもそもココどこ?」となった……。
今回も中野ブロードウェイでガチャの筐体を目にした瞬間、「ナニコレ、おもしれえ! 買お!」と即断したのだった。
・なぜ思いつくんだ
ガチャコーナーで発見したのは「なんでもベスト3」と「おじいちゃん & おばあちゃんの生活の知恵(ウラ技)」の2種類である。くそ~、なんでこんなの思いつくんだよ。どっちも欲しいじゃねえか……。
ということで、それぞれ1個ずつ買ってしまいました。いずれも1個200円。それ以上買うと、受けるダメージがデカそうだなと冷静に判断して1個ずつ。ただでさえ中身がわからないのに、同じモノが被ったらショックがデカいもんね。ちなみにピンクの紙が入っている方がウラ技だ。
・生活の知恵(ウラ技)の内容
まずはウラ技の方から見て行こう。
このウラ技はいちろうさんのものだ。購入商品のため、ウラ技の詳細の公開は控えさせて頂く。生活の役に立ちそうな地味なものが書いてあった。友達に話したら「へ~」と言ってもらえるレベルではある。
その最後にいちろうさんはこう綴っている。
「家庭の幸福は妻への降伏からじゃぞ」
ありがたき、お言葉! いちろうさん、肝に銘じます!!
・のぼるさんのベスト3
そして今日の本題のなんでもベスト3である。さあ、何が書かれているのかな?
このベスト3はのぼるさん(88歳)のものである。最初の項目「好きな女優」だ。いきなりコレか~、しびれるなあ~。
続く2番目が「自慢」、3番目が「夢中になった(もの)」だ。この2つの項目を見て、のぼるさんはかなりワイルドな人生を歩んできたことが垣間見えた。ちなみにのぼるさんとは、ガチャ筐体の中央でビックリ顔をしているおじいさんである。のぼるさん、やるなあ~。
そして最後の項目は「失敗したこと」。この3位に「歳をとり過ぎた」と書いてある。それは失敗なのかな? 意図的に歳をとったわけじゃないでしょうに……。
だがしかし! このあとに続く1文に、のぼるさんのすべての思いが記されていた。彼はこう結んでいる。
「もっと遊びたい 長生きしたい」
「もっと遊びたい」、その “魂の叫び” にも似た言葉から鑑みると、「歳をとり過ぎた」ことは彼にとって失敗と言えるのかもしれない。
このガチャを「どうでも良い」と観れば、たしかにどうでも良いだろう。でも、ここから得られる人生訓もあるはず。つまりのぼるさんは、「時間には限りがある、好きに生きなさい」と言いたいのではないか?
88歳にしてもっと遊びたい、そういう彼の半分程度しか生きていない私は、まだまだヒヨコっ子だと思い知ったのだった。
という訳で、興味のある人は買ってみて。知らない誰かの人生や価値観を、ちょっとだけ覗いた気持ちになれるぞ。
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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