あたり前のように存在自体は知っていても「じゃあ実際はどんなん?」と聞かれたら、よくわからないものは意外と多い。例えばみなさんは『おかめそば』とは、どんな具が入ったおそばなのかご存じだろうか?

ぶっちゃけた話、私はつい先日まで『おかめそば』の正体を知らずに生きてきた。というか、改めて言われると “おかめ” ってなんやねん。知ってる方も知らない方も、読めば納得の「おかめそばの正体」は以下の通りである!

・おかめ?

およそ1カ月前のこと。最近週1くらいで通っている近所のそば屋で食事をしていると、後からやってきた年配の男性が私の隣の隣の席に陣取った。その男性が慣れた様子で注文したのが『おかめそば』である。

ん……おかめそば……だと? 気になった私は男性の元へやってきたおかめそばを必死にチラ見したものの、イマイチ正体がわからない。ハッキリしているのは “温かいそば” ということだけだ。

長く生きていれば『おかめそば』くらい知っているし、聞いたこともある。……が、食べたことはねえ! いったいお前は何者なんだ、おかめそば。てか、メニューとして “おかめ” はヒントが無さすぎるだろ……!

・ノーヒントすぎる

そう、おかめそばは「肉そば」「わかめそば」「山菜そば」などと違いヒントが皆無に近い。だって “おかめ” って……。おかめとは日本に古くから存在する仮面の “おかめ” のことなのだろうか?

というわけで、そば屋さんで『おかめそば』をオーダー! 価格は800円だったので、700円だった「たぬきそば」や「きつねそば」よりは若干高く、850円だった「力うどん」よりはやや安い価格設定のようだ。そしてやって来たのがこちら!


なんだこれは。


具材として確認できたのは「しいたけ」「お麩」「かまぼこ」「たけのこ」「なると」「たまご焼き」「ほうれんそう」の全7種類。おかめの名からは想像できない、実に具だくさんなおそばである。

・元そば屋のアルバイトが解説

ただ……これのどこが “おかめ” なのだろうか? 答えはかつてそば屋でアルバイトをしていたGO羽鳥からどうぞ。


GO羽鳥「おかめそばとは “おかめ顔” の形をイメージしたそばのことなんだ。ちょっと写真は崩れすぎだなぁ。俺がバイトしてた店では、もうちょっと “おかめ” の顔になってたよ。タケノコは鼻、かまぼこ × 2で目とかね。まあ、俺もバイトするまでは知らなかったけど。

とにかく結構手間がかかってるそばで、実は意外と注文が入るんだよ。具だくさんだからなのかなぁ? ただ実は俺も “おかめ” は食べたことが無い。というか、まかないで出たことがない。つまり、まあまあ原価がかかってるのかもしれないよ。案外お得なメニューなのかも……」


というわけで、おかめそばとは “おかめ顔” を具材で表現したそばのことであった。私のファーストおかめそばは、ややピカソチックな仕上がりであったが、どうにか顔に見えなくもない。ともあれ福が多そうなメニューである。

・具だくさんでイイ!

ちなみに味も具だくさんで大変気に入った。色々な具材に寄り道できる楽しさとでも言おうか? 「肉そば」などの一点集中型ではないものの、ちょこちょこと沢山の具を楽しめるのはいいかもしれない。今後はタイミングを見て利用していこうと考えている次第だ。

とにもかくにも、おかめそばとは “おかめ顔” をイメージしたそばのことである。立ち食いそばでは滅多に見かけないメニューなので、町のそば屋などで見かけた際は1度召し上がってみてもいいのではないだろうか。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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