東京ならどこにでもある立ち食いそば屋。しかし、どこにでもあるからと言って適当に入ると、つゆが単調だったりノビたそばが出てきたり地雷も結構多い。そこで立ち食いそば253店を食べた私(中澤)が、実体験に基づき、地域ごとに安定の立ち食いそば屋をご紹介しよう。

以前の記事で激戦区・秋葉原~御徒町のベスト5をご紹介したが今回もまた音に聞こえた激戦区。東京でそばと言えば神田! そば屋の名店ひしめくJR神田駅~都営新宿線小川町駅の立ち食いそば屋ベスト5である!!

第5位『かめや』

安心の味にたどり着きたいなら、神田駅の東口エリアと西口エリアに配置されている『かめや』は間違いない。以前書いた秋葉原~御徒町のベスト5でもオススメしているが、コク深いつゆの味とガッツリした天ぷら、卵のベストな半熟具合など東京立ち食いそば名店の基本を見せてくれる店だ

夜の闇にぼんやり浮かぶ幻想的な外観も、どこか昔の日本のオーラが残る神田の雰囲気と合っており、一杯食べたら「神田にいるなあ」と感じられるはず。東京の立ち食いそば屋で最初に食べてほしい店である。


第4位『河北や』

打って変わって珍しいそばが食べられるのが、小川町にある『河北や』だ。居酒屋みたいな外観をしているのだが、ここでは山形県河北町名物の「冷たい肉そば」を食べることができる。

鶏肉の出汁の出たスープはコク深くもあっさりしており、ぬるいのでゴクゴクいってしまうこと間違いなし。『河北や』のそばは飲み物です。ちなみに、牛すじカレーも濃厚でウマイため、メニュー迷子率No.1の店でもある。


第3位『六文そば 須田町店』

立ち食いそば屋の無骨さに慣れた頃にオススメなのが『六文そば 須田町店』である。その味が出すぎな外観と、無骨なる雰囲気は、いきなり行ったら多分ちょっとハードルが高い。

しかし、鰹・鯖・鰯から取った渋めの出汁がイカゲソ天と奏でるハーモニーは絶品。名物であるイカゲソ天と同じく、噛めば噛むほど味が出る店である。うーむ、書いてたら行きたくなってきた。


第2位『めんや』

なにせつゆが美味しいのが『めんや』で、甘めのつゆに細麺が繊細なハーモニー。そのどこか優しい味は、あんまり立ち食いそばに慣れていない人でも分かるウマさがあると思う。

明日葉天をトッピングすると、香り高さも加わるのでオススメ。ワンコイン以下でちょっと上品な気分にさせてくれる立ち食いそば屋である。


第1位『十割蕎麦 韃靼 穂のか』

まあ、色々オススメしたが、ハッキリ言って『十割蕎麦 韃靼 穂のか』がダントツだと思う。個人的には小川町近辺はもちろん、東京全体に範囲を広げたとしてもベスト5に入る店だ。のど越し最強のそばと辛めのつゆのコンビネーションはキレッキレ

トッピングに天ぷらなし、基本ざるそばで、そばの種類が「韃靼そば」「田舎そば」「更科そば」「穂のかそば」の4種類から選べる。まさにストロングスタイルだが、少し遅めの時間に行くと結構な割合で売り切れていたりすることからも人気の高さがうかがえる。


──以上。東京のそば中心地・神田近辺の立ち食いそば屋ベスト5をご紹介した。ちなみに、次点は『天亀そば』。ここも味のある外観とそばでファンによく知られる店だが、「立ち食いそばの無骨さに慣れていない人にオススメできるか」という点で見た時『かめや』の後塵を拝した。

上記のように、今回ベスト5の選出にはそこそこ悩んだが、最終的にはやはり噂以上に実感に基づき、個人的なオススメを厳選させていただいた。絞るのが難しいところはさすが激戦区である。神田~小川町で立ち食いそば屋を探す時は参考にしてみてくれ。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.