こんなの、シリーズもののヒーローの魅せ方の究極形だろ……! 2023年1月30日から2月5日の期間、JR新宿駅の東西自由通路にあるLEDサイネージ「新宿ウォール456」をジャックしているプリキュアの広告だ。
早朝に新宿駅にて出くわし、プリキュアが何かやってるんやな……程度の感想と共に通りすぎようとしたところ、広告映像の圧倒的なクオリティに足を止めざるを得ない事態が発生。いやマジでこの広告半端ねぇって!
・1㎜くらいしか知らない
ちなみに私はプリキュアのファンではない。ぶっちゃけ1作も見たことが無く、キャラの名前も一切知らない。全くプリキュアとは縁遠い感じの人間だ。
しかし件の新宿駅のプリキュアの広告は、プリキュアをろくに知らない私のような層ですらも、よくわからないまま感動させるようなクオリティだったのだ。
この手の記事で「ファンではない」などと書くと一瞬でアンチ認定されるので断っておくが、全くアンチでもない。単に世代が違うってやつ。
私がニチアサのアニメを見ていた最後の時期に、今のプリキュアと似たような立ち位置にあったのは「おジャ魔女どれみ」。OP曲が令和でも踊られまくっているので、24年も前のアニメだが説明は不要だろう。
「明日のナージャ」の頃にはとうにアニメの魅力より睡魔が勝つようになっており、「ふたりはプリキュア」が始まったころには国外に引っ越して、ニチアサへのアクセス方法自体を失ってしまった。
そういう事情で、私が持つプリキュアの知識は、初代が白と黒で、名前がキュア〇〇で、ちょっと前に「新作のプリキュアは和洋中vsイギリス料理」みたいなネットミームを見た(実際にアニメの内容もその通りだったのかは知らない)ことくらい。
・変身
いったいこの広告の何が、プリキュア知識が皆無に近い私に刺さったのか? 端的に言うと構成のテクニカルさにやられた感じ。
私がスルーして通り過ぎようとしたところ、ロック調なテーマソングの一番盛り上がるところと思しきパートが流れ
凄い数のプリキュアが一斉に変身したのだ。どうやっても見てしまうし、いざ見るとめっちゃ格好良いじゃねぇか!!
白と黒が初代だというのはわかるが、それ以外は何一つとしてわからない。それでも歴代のプリキュアが一斉に変身してんだろうという推測はつく。
仮面ライダーでいえば1号の藤岡弘、さんからブラックサンの西島秀俊さんまで、もれなく中の人が1列に並び同時に変身するようなもの。長く続くヒーローシリーズ作品にしかできない最高の演出だ。
仮面ライダーは実写ゆえに、様々な事情で起用できない人がいる可能性が否定できず、実現は難しい気がする。現役のヒーローシリーズでこんな理想の演出ができるのはプリキュアだけかもしれない。
しかもそれが、横にメチャクチャ長い「新宿ウォール456」と最高に相性がいい。45.6メートルもあるサイネージにすごい数のプリキュアが勢ぞろいして変身する様は壮観の極み。一斉に変身させるよう決めた人は天才に違いない。
これはプリキュアとか知らなくても見る価値があると思う。というか、この広告でちょっとプリキュアが気になってきたまである。
参考リンク:YouTube
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼20周年PV。こちらもサイネージで流れている。プリキュアから努力とか友情とかを学んだ人には刺さると思う。色んなものを諦め絶望を積み重ねて成長したタイプの闇の大人な私には、プリキュアの在り方がまぶしすぎて心が痛ぇ!
▼変身後のポーズと立ち絵を全部撮って繋げたら、長すぎて表示できないという前代未聞の事態が生じたので4等分に。いかに壮観かが伝わると思う。スマホを横にして見てね。