とじないカツ丼の店ってこんなに多かったんだな。正直、「とじないカツ丼」とか「焼きカツ丼」と検索しても、どの記事も同じ店をまとめてるもんだから4~5店舗くらいで終わると思っていた。
しかし、実際足を踏み入れてみるとあるわあるわ。そこで自分のためにもアーカイブしようと思ったのが本連載「卵とじないカツ丼を探せ」である。ブームである焼きスタイルから半分とじかつ丼まで多種多様な進化が見られる卵とじない系。今回はその中でもかなり個性的な一品だ。っていうか、これはかつ丼なのか……?
・虎ノ門横丁
そんなかつ丼があるのは虎ノ門横丁である。と言っても、ハイソな人しか分からなさそうなので、もう少し細かく説明すると、虎ノ門ヒルズビジネスタワーの3階には計26店舗が集まったフードコートがあり、そこが横丁をイメージした小路のデザインとなっているのだ。
ってなわけで、横丁と言っても新宿の「ションベン横丁」と一緒にしてはいけない。例えるならガラスケースに並んだ横丁とでも言おうか。私(中澤)はハッキリ言って場違いさを感じてしまう。
・かつ丼……なのか?
その中にあるのが今回のとんかつ屋『つかんと』だ。一見屋台のようなデザインだが、椅子やカウンターの質感が周りの雰囲気と馴染んでおり、あまりとんかつ専門店オーラがない。そんな店がランチで提供しているかつ丼が……
とじてない。
っていうか、これはかつ丼なのか? 私がそう思ったのはご飯の質。卵とじを乗せているとか卵丼とか、そんなレベルではなくリゾットみたいになっている。さらに、リゾットの色は卵黄の黄色より薄く黄土色っぽい感じなので、卵かどうかも定かではないが……
食べてみたところ感じられたのは紛れもなく卵の味であった。卵の甘みSUGEEEEEEE!
もちろん、とんかつもウマイ。肉は肉汁が滴っているくらいジューシーなのに、場所のオーラに負けない上品な味である。かつ丼なのに。
・意外とコスパ良い
こんなオシャレなかつ丼初めて食べたぞ。だが、メニューをよく見るとその謎が解けた。なんでも、この店を始めたのは、ミシュラン1つ星のフレンチレストランのシェフらしい。
それゆえか、卓上には、ソース、醤油以外にも、粉チーズ、塩、オリーブオイルなどが用意されていた。これで味変も楽しめるという。そこで塩をかけてみたところ、レアみの強い豚の味が引き締まる。さらに、リゾットにチーズをかけてみるとカルボナーラっぽい味に。
ちなみに、このメニューの名は「カツ丼定食(税込み1540円)」。普通すぎてこんなのが出てくるとは想像すらできない名前だが、定食と言うだけに、オードブルでサラダと味噌汁とお新香がついてくる。とじない系かつ丼は1000円~2000円が相場なので周辺のオーラの割にこの店のコスパは悪くない。
なお、サラダは本格フレンチの前菜のようで激ウマであった。とじないカツ丼のフレンチからの刺客。カツ丼の深海にまた1つ新たな星が輝いた。
・今回紹介した店舗の情報
店名 つかんと
住所 東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー 3F
営業時間 平日11:30~14:00(売切次第終了)、17:30~23:00 / 土・日・祝12:00~14:00(売切次第終了)、17:00~22:00
定休日 月曜日
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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