今月8日に放送がスタートした大河ドラマ『どうする家康』を複雑な気持ちで視聴している。なぜなら私は昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に死ぬほどハマり、放送終了から1カ月以上が経過した今も深刻な “鎌倉殿ロス” 状態にあるから。

『鎌倉殿』は間違いなく歴代最高クラスの傑作だった。そのため『家康』に対するハードルが理不尽に上がってしまっている現状を、多くの大河ファンは「気の毒だ」と感じている……気がする。松潤ならびに『家康』制作陣の皆さんには、どうかどうか頑張ってほしい!

……さて。そんな視聴者の複雑な心境を知ってか知らずか、家康のお膝元たる愛知県は現在 “家康フィーバー” に沸いている様子だ。浮かれすぎて『徳川ぴよ康』なるお菓子まで制作してしまったようなので、さっそく買いに行ってみよう。

・うわさの『ぴよりん』

ってことで1月19日の午前11時、私は名古屋駅に降り立った。『徳川ぴよ康』は名古屋の名物スイーツ『ぴよりん』の期間限定バージョンで、名古屋駅構内の『ぴよりんショップ』ならびに『ぴよりんステーション』で今月24日まで購入することができる。はずだったのだが……


ぐっ! 『本日分完売』の張り紙!!!


よく見ると『ぴよ康』どころか『ぴよりん』も在庫ゼロ状態。『ぴよりん』に関しては同日中の追加があるようだが、『ぴよ康』は翌日の朝イチまで再入荷がないらしい。まさか『ぴよりん』シリーズがこれほど人気とは……そんなにウマいのだろうか?


・リベンジしかない

気になりすぎて眠れなかった私は翌日、再び名古屋駅を訪れた。本当は『モーニング』を食べに喫茶店へ行く予定だったが……仕方ない。今日を逃すと『ぴよ康』は2度と手に入らないのだから。


すると……



ウソでしょ!? 数百人の大行列が!!!?


慌ててダッシュしたところ……行列の正体はタカシマヤの開店を待つ人々。実はこの時期、ジェイアール名古屋タカシマヤでは “売上日本一のバレンタインフェア” が開催されているのだそうな。名古屋の人って行列が好きなんだな〜。

この時点で時刻は9時15分。『ぴよりんショップ』(10時開店)の行列は20名ほどである。『ぴよ康』の正確な販売個数は不明だが、この人数ならおそらくゲットは確実だろう。よかった〜!


そして待つこと45分。ついに『ぴよ康』ゲット……


……とはならない。会計などに結構時間がかかり、私の順番が回ってきたのは10時20分ごろであった。

私が購入した時点で『ぴよ康』は残り20羽弱。1人あたり2羽まで購入可能なので、行列の30番目以降の人は購入できない可能性が高いことになる。事実上の “開店前完売” だ。

今回の経験から『ぴよ康』を狙うなら、遅くとも開店の30分前には行列に並ぶ必要があることが分かった。「もっとたくさん生産すればいいのに」って気もしなくないが、希少性も含めた『ぴよりん』のブランド戦略だと言われれば仕方ないか。


・ぴよりんチャレンジ

さて無事に『ぴよ康』をゲットした私だが、ご存知のとおり『ぴよりん』シリーズは非常に脆く壊れやすいことで知られている。

原型をとどめたまま持ち帰る行程は、俗に「ぴよりんチャレンジ」と呼ばれるミッションなのだ。滞在先のホテルまでは20分ほどの道のり。かなりイージーモードとはいえ、混み合う地下鉄は冷や汗ものだった。


果たして『ぴよりん』たちの安否は……



ホッ! 全員無事でした〜!


・ぴよ康のポテンシャル

兜と三つ葉葵の家紋が勇ましい『徳川ぴよ康』は税込550円(持ち帰りの場合)。揺らせばフルフルと震える様子が本物のヒヨコみたいでカワイイ〜!

表面を覆う茶色のツブツブは、なんと八丁味噌のパウダーらしい! もったいないけどひと思いに食べちゃう……エイッ! お、おおおおっ!?



よく分からん!!!


ここで気づいたが、私はそもそも『ぴよりん』を食べたことがないんだった。オリジナルを食べずして『ぴよ康』の味が判断できるはずもない。ひと思いに……エイッ!


お、全然違う!


全くクセが無い『ぴよりん』に対し、『ぴよ康』にはわずかな、しかし確かなホロ苦さと深みがある。「味噌か?」と言われると正直よく分からないものの、万人ウケするウマさであることは間違いなさそうだ。

では「1時間並んでまで食べたいほどウマいか?」と言われると……個人的にはそれほどでもない気もしなくない。しかし苦労して手に入れた喜びは格別なものがあり、イベントとして楽しかったので全然大満足だ。また名古屋に来る機会があれば行列に並びたいとマジで思う。

『徳川ぴよ康』の販売期間は24日(火)まで。これほどの人気商品をたったの1週間しか販売しないとは、本当に名古屋の人って策略家だよなぁ。狙っている人はできるだけ早起きして名古屋駅へ向かうしかないだろう。健闘を祈る!

参考リンク:ぴよりん公式サイト
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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