渋谷を歩いていたら「歩きスマホより、座りスマホしよう」「座れるスマホ、パルコ付近に出現」などと書いてある垂れ幕を見つけた。歩きスマホの防止意識を高めるための啓発活動だろうか。たしかに歩きながらスマホを操作するのは危険である。しかし……
「座れるスマホ」って何? もしかすると渋谷パルコの近くに “巨大なスマホ型の椅子” でも設置されているのかもしれない。だって東京はそういうところなのだ。すぐ近くにいたので、歩いてパルコに近づいてみると……マジかよおい。そのまんまじゃねえか。
なんとイメージ通りの “巨大スマホ椅子” がパルコの向かいの歩道に設置されていた。さすが東京……というか、さすが渋谷である。どうやらGalaxyの折りたたみスマホをモチーフにしたベンチが設置してあるらしい。この一角だけ「座りスマホ空間」となっていた。
そういえば、新しい「折りたたみスマホ」は売れているのだろうか。パカパカケータイが出た当時のような勢いは感じられない……が、渋谷で椅子になるくらいだから人気なのだろう。なんとなく二つ折りにした感じが懐かしく感じられる。昔のケータイもこんな感じだったぞ。
せっかくなのでスマホに座ってみる。ただの冷たい椅子だが、友達や恋人と撮影したら楽しいかもね。あ、撮影といえば! 折りたたみスマホが人気の理由は、コンパクトなことと「画面ごと折りたためるから、自撮りの表現角度が無限大」と聞いたことがあるぞ。一応報告。
・平成レトロ
ちなみに帰って調べたところ、折りたたみスマホは “平成レトロ” なアイテムで、昔のガラケーのように自分好みにデコレーションする若者(たぶんギャル)も少なくないのだとか。渋谷ギャルの「デコ文化」は無事に受け継がれているようで何だか妙に安心した。
あと地味に「平成レトロ」という言葉が衝撃的である。若者にとっての「折りたたみ式の電話」は、40代で言うところの「黒電話」くらいの感覚なのだろう。
座っていると目立ってしまうのですぐにその場を立ち去ったが、新しくもあり懐かしくもあるスマホ型ベンチは渋谷の風景にうまく溶け込んでいた……気がする。いや正直に言うと、珍スポット特有の「謎の迫力」もあって面白かった。良い撮影スポットと言えるだろう。
・期間限定
──最後に、渋谷のスマホ型ベンチは期間限定(2022年12月25日まで)らしいので、気になる方はお早めに。歩きスマホより座りスマホ、せっかくならスマホ型ベンチでどうぞ!
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.