日本における “ドーナツ界の覇者” は、誰が何と言おうと「ミスタードーナツ」である。一応「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が2番手につけてはいるが、知名度や店舗数を考慮すると “ミスド一強” と言ってもいいのだろう。
今後もミスド一強時代はしばらく続いていくハズだが、もしかしたらミスドの強力なライバルになるのは「デイリーヤマザキ」なのかもしれない。なぜなら店舗調理の『空飛ぶドーナツ』が、驚くほど美味だったからである。
・安定のミスド
全てのドーナツが一定以上のクオリティに達しているミスタードーナツ。言うなればミスドにイマイチな商品は1つも無く、どれを食べても外すことはない。全国どこで食べても同じ味をキープし続けるミスドは、並々ならぬ企業努力をしているのだろう。
……が、1つ1つのメニューに絞っていくと「これだけは〇〇の方が美味しいのでは?」という商品も存在する。ややジャンルは違うものの「オールドファッション」よりも個人的には「ライフのサーターアンダギーの方がウマい」と感じている次第だ。
・店内調理の空飛ぶドーナツ
さて、今回ご紹介するデイリーヤマザキの『空飛ぶドーナツ』は、ミスドで言うところの「シュガーレイズド」に相当する商品と考えればいいだろう。穴が空いていない円形で、砂糖がまぶしてあるだけのシンプルなドーナツだ。
『空飛ぶドーナツ』はデイリーヤマザキの店内調理パン「デイリーホット」の商品で、全ての店舗で販売されているワケでない。価格は1つ140円、限りなく出来立てに近い状態で販売されているフレッシュなドーナツである。
「デイリーホット」のクオリティが異常に高いことは知っているが、ドーナツではどうなのか? これは確かめる必要がありそうだ。
・ガチンコ対決
というわけで『空飛ぶドーナツ』を購入! せっかくなのでミスドの「シュガーレイズド(テイクアウト151円)」と食べ比べてみることにした。余談だが、記者はミスドの中で「シュガーレイズド」が1番好きである。
で、食べてみた結果を以下で箇条書きでお伝えしたい。デイリーヤマザキの『空飛ぶドーナツ』はミスドの「シュガーレイズド」にどれほど迫っているのだろうか?
食感
シュガーレイズド …… 流石の軽やかさ。少しも重さを感じないエアリーな食感が最高。
空飛ぶドーナツ …… シュガーレイズドよりやや軽さに欠けるものの、シュガーレイズドには無いモチッ & ジュワッ感が加味されている。
風味
シュガーレイズド …… 小麦の風味が豊か。シンプルな味つけなので、生地の旨味が引き立っている。
空飛ぶドーナツ …… 奄美大島産「素焚糖(すだきとう)」がジワジワ甘い。生地より素焚糖の風味が強い
甘さ
シュガーレイズド …… かなりすっきり系。ドーナツでありながら、甘さ控えめのパンを食べているかのよう。
空飛ぶドーナツ …… 控えめな素朴な甘さ。ドーナツとしてはかなり甘くない方だが、シュガーレイズドよりは甘い
総合評価としては「空飛ぶドーナツはシュガーレイズドと互角のウマさ」と申し上げていい。ここまで来ると後は個人の好み次第。少なくとも、いつの間にか消えてなくなった「コンビニドーナツ」とはレベルが違う。
率直に「空飛ぶドーナツの方が遥かに上!」という結果ではなかったが、ドーナツ界の覇者「ミスド」と同じリングで互角の戦いが出来ている事実自体がスゴイことではなかろうか? 個人的に空飛ぶドーナツは「あれば余裕で勝ってもイイ」と思えるクオリティであった。
おそらくミスドの人が『空飛ぶドーナツ』を食べたとしても「うちの圧勝だな」とは思うまい。むしろ「デイリーヤマザキめ……やりやがる」とこっそり研究を始めるのではなかろうか? それほど『空飛ぶドーナツ』はシュガーレイズドに肉薄していると申し上げていいだろう。
先述の「コンビニドーナツ」の例を挙げるまでもなく、ミスドのドーナツは圧倒的に強い。そのミスドと対等に戦えるドーナツ、デイリーヤマザキの『空飛ぶドーナツ』を覚えておいて損はしないハズだ。
参考リンク:デイリーヤマザキ
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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