おとり広告問題などが続き、傷だらけのスシロー。目をそらすのではなく目の前の客や問題としっかり向き合ってもう一度ゼロから見つめ直して欲しい。ファンゆえにより強くそう思う。

値上げもその一環だと思うので個人的にはあまり気にならないが、やはりマイナスの印象に拍車をかけているのだろう。今のスシローに今年初めまでの活気は感じられない。まあ、都市型店舗だと黄皿150円なのでもはや安くはないよな。と思いきや、スシローマニアいわく「むしろ安くなった」という

・値上げはされている

そんな話を聞かせてくれたのは、今も毎週2回のスシローを欠かさない会社員・鮮魚久良々(せんぎょくらら)さん。今回話を伺うために共に訪れたスシロー新宿三丁目店でも、黄皿は税込み132円から150円、赤皿は税込み187円から210円、黒皿は税込み352円から390円と、確かに値上げは実施されている。にもかかわらず、安くなったとはどういうことなのか?

鮮魚久良々「値上げは実施されています。黄皿が税込み110円だった店舗も120円になってますし、それは間違いありません。でも、確かに安くなってるんですよね……」


──いや、どう考えても値上げしてるでしょ。黄皿が税込み121円だった店舗も130円になってますよ。


鮮魚久良々「おっしゃる通りなんですが、事実として値上げ前より安くなってるんですよねぇ……」


鮮魚久良々合計金額が


──と言うと?

・合計金額が半分に

鮮魚久良々「私って、スシローに行ったら合計金額は大体3000~4000円くらいかかってたんですよ。それが値上げ後は合計金額が1500円~1600円くらいに収まるようになったんです。同じようにお腹いっぱい寿司を食べているのに!」


──半額くらいになってるじゃないですか。クーポンを使ってるとかじゃないでしょうね。


鮮魚久良々「いえ、そもそも私はクーポンとか面倒くさいから使わない派です。しかし、さすがに値上げはされてるのに合計金額が安くなっているのは意味不明なので、食べ終わった後によく考えてみたんです。すると、その理由が分かりました」


──値上げはされている。寿司も同じくらい食べている。でも、合計金額は安くなったその理由とは……?

・キャンペーンの変化

鮮魚久良々「結論から言うとキャンペーンの変化ですね。以前のスシローは、キャンペーンのメニューが1度は頼んでみたい魅力あるメニューが多かったんですが、その分、値段が高めの赤皿や黒皿も多かった。とは言え、その味に満足していたので、私は特にそのことを気に留めてませんでした。

しかし、直近のキャンペーン「北海道祭」では、かつての黒皿に並びそうなのは、「上いくら」くらい。伝家の宝刀「ジャンボほたて貝柱」もラインナップになく、他のキャンペーンメニューは「真いか(赤皿)」や「北海道ピュアホワイトコーン(黄皿)」など、どこが祭りやねんという状況です。

それどころか、キャンペーンの頻度も大分減っており、いつもキャンペーンのポスターを入れていた額に何も入っていない時もあるくらい。スシローの苦悩が見てとれます」


──確かに、最近、タッチパネルで注文したいものを探してスクロールしてたら最後までいっちゃったことがありました。


鮮魚久良々「そう。その結果として、食べ終わった後の私の机には黄皿が積み上げられていました。かつては黒と赤で半分くらい染まっていた皿の塔が黄一色になっていたんです。主戦場がキャンペーンメニューからレギュラーメニューのコスパの良いものに移ったんですね」


──つまり、黄皿ばかり食べていたから合計金額が安くなったと。


鮮魚久良々「そういうことです。意識してのことではなく、自分が食べたいものを選んだ結果だったため、数値で示されるまで気づきませんでしたが」


──なるほど。では、そんな今のスシローで鮮魚さんが良く食べている皿を教えてもらえますか?


鮮魚久良々「まずは、活〆はまちですね。相変わらず身が大きくて美味しいです。次に、えんがわ。塩で食べると大葉の香りがナイスハーモニーなのでぜひ塩で。最後に、えびアボカドも必ず食べます。七味をかけてから醤油をかけると創作寿司感がアップするのでオススメです」


──とのこと。確かに、全て黄皿。しかし、いずれも満足感のあるものであった。


スシローを去る時、「不適切な告知に関するお詫び」という貼り紙が貼られていることに気づいた。なぜか、ボロボロになっているのが印象的だったその貼り紙。難しい時期であることが透けて見えた気がした。ファンとして、スシローの今後を見守りたい。


執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.