丸亀製麺には「麺職人」と呼ばれる麺づくりのプロがいることは以前の記事でもお伝えした。技術力や経験によって「一つ星」から「四つ星」まで4つのレベルに分かれているが、2022年5月1日の時点で実在するのは一つ星と二つ星の職人さんのみ。二つ星も全国に3人しかいないという。
てことは、実質その二つ星職人さんが一番スゴイの? いやいや。実は丸亀製麺には「麺匠」という明らかにヤバイ称号を与えられている麺職人が存在するのだ。しかも世界にたった一人らしいぞ! いや少ねェェェェェェエエエ!!
そのヤバイ麺匠が、なななんとこの後、当サイトに初降臨する……!
・唯一の存在
先日行われた丸亀製麺のメディア向け試食会。そこに麺匠が現れると聞きつけた私(あひるねこ)は、緊張を胸に会場へと向かった。麺匠……響きがもうラスボスである。ラーメンの話など振ろうものなら秒で灰にされそうだが、果たしてどんな人物なのか?
とそこへ、一人の男性が……
ま、まさか、この人が……
麺匠……!
・いきなり降臨
こちらの想像よりもだいぶニッコニコで現れたこちらの男性こそが、世界にたった一人しかいない丸亀製麺の麺匠・藤本智美(ふじもと さとみ)さんである! あ、あなたが神か……!! 繰り返すが当サイト初登場だ。
現在、藤本麺匠は全国の店舗を巡りながら、麺の打ち方や茹で方、うどんの味や質、店内や接客などのチェックを行っているとのこと。なるほど、つまりすべての麺職人は藤本麺匠のお弟子さんというワケだな。まさにラスボス。マスター・オブ・丸亀製麺である!
ただ……ここでは親しみを込めて、あえてフジモンと呼ばせていただきたい(無許可)。さて、自己紹介を終えるとフジモン麺匠は、我々メディア関係者に向けて割とガチめのうどん講義を展開した。その様はまるで大学教授だ。
・匠の技
講義が終わると、今度は麺匠自らうどんを作ってくれることに。座布団状にプレスした生地を圧延(あつえん)機に入れるフジモン。この入れ方も麺のコシに影響するという。そして……
切り出した麺を麺棒で受け止めるフジモン。
ムラにならないよう麺を茹でるフジモン。
こうして完成したのが……
こちらの釜揚げうどんだ!
・麺匠の食べ方
丸亀製麺曰く、釜揚げうどんは「誤魔化しのきかない商品」とのこと。それを今回あえてチョイスするあたり、麺匠の絶対的自信がうかがえる。さて、それではここからは麺匠がオススメする釜揚げうどんの食べ方をご紹介しよう。まずは……
そのまま麺本来の味わいを楽しむ。
いきなり つけ出汁にドボンしてしまうのは素人だ。麺を口に入れた時の小麦の風味と、ほのかな塩味をまず存分に楽しむべし。で、その後はいよいよ つけ出汁の出番だが、そのつけ方にもご注目いただきたい。麺を桶から直接すくうのではなく……
桶のフチに這(は)わせるのが正解。
こうすることで余分なお湯が落ち、つけ出汁が薄まらないんだとか。言われてみればたしかにその通りである。今度から絶対そうしよう。さあ、つけ出汁の風味を堪能したら、お次は無料の薬味をトッピングしまくるぞ。ただし! 欲張って全種類投入はNG。必要なのは……
青ねぎ・おろし生姜・すりごまである。
ごまは多めに入れるのが麺匠流。逆に天かすは入れないらしい。たまに親の仇のように盛っている人がいるが、そんなんフジモンに見つかった日には圧延機にブチ込まれること必至。釜揚げうどんを食べる際は上記のトッピングを試してみて欲しい。
食べ終わったら、最後に釜湯をつけ出汁に入れ蕎麦湯風にしてフィニッシュ。お湯に溶け出た小麦の甘みまで余すことなく楽しむ……これが麺匠がオススメする釜揚げうどんの食べ方である。各自、ぜひ覚えて帰ってください。
・麺匠の味
そういえばうどんの感想を言っていなかったのでお伝えしておくと、正直なところ「他の店舗で食べるのと全然違う!」という類のものではない。むしろ逆だ。麺匠のうどんは、我々が丸亀製麺と聞いて想像する味そのものである。
全国に800店舗以上あるという丸亀製麺。そこで食べるうどんは、もちろん多少の誤差はあれど、どこも例外なく丸亀製麺っぽい味になっている気がしないだろうか? 店舗ごとに一から製麺しているにもかかわらずだ。
だがそれもそのはず。麺匠がそうなるようコントロールしているからである。まさに丸亀製麺の原版。先ほどの釜揚げうどんは、市販のコピーの元となった原画を食べているような感じだった。同じ味、同じ見た目でも内包する迫力が異なるあたり、さすが麺匠ですな。
先述した通り、フジモン麺匠はどこかの店舗に常駐しているワケではないが、11月には麺匠の打つうどんが食べられる限定イベントが予定されているとのこと。気になる人は丸亀製麺の公式サイトをご覧いただきたい。それではフジモン麺匠、またどこかでお会いしましょう。
参考リンク:丸亀製麺
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
▼フジモン麺匠と。事実上のマブダチと言っても差し支えないだろう。