先輩からの誘いにひょいひょいついていくタイプの私は、社会人になってからありとあらゆるジャンルの高級店に連れて行ってもらった……のだが! なんだかんだ言って、結局1番うまいのは南京亭のBセットである。ステーキもお寿司ももちろんうまいけど……

結局行き着くところは南京亭のBセットなのだ。ロードサイドに赤く輝く看板、腹が減ったら南京亭。というわけで今回は、埼玉県出身の私が免許とりたての友人の車で通いまくった中華料理チェーン、南京亭……のBセットを紹介したい。ひさしぶりに食べたらうまかったなァ。

・南京亭のBセット

やってしまった……勢い余って、冒頭で伝えたいことの大半を伝えてしまった。つまり、順位に多少の変動はあれど、結局「青春時代に食べまくった味」が優勝という話だ。もしかしたら「母の味がおいしい」という感覚に近いのかもしれない。

南京亭(東京亭)は東京多摩地区・埼玉県・神奈川県を中心に12店舗を展開(2022年10月6日現在)している。目立つ看板、広い駐車場、24時間年中無休という3拍子が揃っているため、長距離トラックの運転手や、深夜ドライブを楽しむ若者たちが集結するイメージだ。

ロードサイドの中華チェーンは、高校卒業間もない若者からするとファミレスよりもイケてたのだろう。夜遅くても活気に満ちている店内は、カラオケのようでありクラブのようだった。今思えば全然違うけど、とにかく当時はそう感じたのだ。

そういえば、南京亭も「免許をとりたての友人のバイト先の先輩」から教わったお店である。当時は「ガソリンスタンドの先輩曰く、南京亭のBセットが美味しいらしい」という情報すべてがクールだった。そんなBセットとは……

焼肉丼とミニラーメンのセット。焼肉丼は「うまけりゃ何でもOKだろ」と言わんばかりのビジュアルで、ご飯のうえに焼き肉をどさっとのっけただけ。すぐに作って、できた瞬間に運びましたという勢いが伝わってくる。んで、その勢いのまま口に運ぶのが正解だ。

見たまんま、甘じょっぱく濃い味付け。豚肉、ピーマン、玉ねぎでガツガツご飯を食べまくる……これぞまさにドライバー飯であり、免許をとりたての若者飯でもある。おかげでスタミナフルチャージ。うまい。いつまでも食べられる。


一方、素朴なミニラーメンは主張控えめでほっとする味わい。あくまで脇役といった感じ。勢いよく焼肉丼を食べてミニラーメンでひと休み。緩急のバランスが絶妙である。20数年ぶりに食べた南京亭のBセットは、見た目も味も当時のままだった。

ちなみに食べたことはないのだが、南京亭の名物は「ジャンボ餃子」らしい。40代になると「ジャンボ」という言葉を聞いただけでお腹いっぱいになってしまうが、冷静に考えたらBセットも十分ボリューミーだった。

そろそろ他のメニューも開拓してみようか……と思いつつも、きっと次もBセットを頼むだろう。何人かで行く機会があれば餃子もつまみたい。慣れ親しんだメニューはなんとなく裏切ることができないんだよな〜。皆さんにもそういったメニューはあるだろうか。


参考リンク:南京亭・東京亭
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.