2022年10月3日より期間限定・数量限定で発売される丸亀製麺の『神戸牛 旨だしうどん』。販売開始まであと1週間ほどあって悶えるが、ありがたいことにメディア向けの先行試食会が開かれるという。これは行くしかないだろう。

だがしかし……。意気揚々と駆け付けた会場にて、私(あひるねこ)は深く後悔することになる。高級食材の神戸牛を惜しげもなく使った、贅沢極まりないメニューであるにもかかわらずだ。なぜか? その理由は順を追ってご説明しよう。

・丸亀新メニュー

丸亀製麺の路面店を中心とした一部店舗で販売が予定されている『神戸牛 旨だしうどん』。泣く子も黙る神戸ビーフを使った一杯は、なんと税込940円(並のみ)。たっか! 高すぎるだろ!! さすが一流ブランド牛、丸亀のメニューとしてはかなり高額である。


なんでも神戸牛生産者がオススメする神戸牛の食べ方が「肉すい(牛肉のお吸い物の総称)」だそうで、今回の新メニューはそこから着想を得たのだという。ほう、「肉すい」とはなかなか渋いところを突いてくるな……。しかし丼を見た瞬間、一目でわかった。


これはウマい──。

・勝ち確

やや地味めなルックスながら、どうしたって抗いがたい激美味オーラを全方位に向けて放出しているではないか。具材は白髪ねぎと黒こしょうという最小限の布陣にとどめ、大将である神戸牛にステータスを全振りした自信みなぎる一杯だ。

実際、主役たる神戸牛は質・量ともに凄まじい存在感で、柔らかさといい上品な脂の甘みといい、文句なしの仕上がりとなっている。ほんの10秒くらい前まで「肉すい」なんてどの牛肉を使っても同じだろとか思っていて、本当にすみませんでした。

すべての生産者さんたちに心の中で土下座しつつ、熱々のだしを口に含んだ私はその直後、さらなる衝撃に襲われることに。マ、マジか、このだし……! ただの液体のくせに……か、確実にいやがる……! 神戸牛がだしの中に住んでやがる……!!

・まさかの入居

ちょっと白濁している以外は取り立てて特徴がないように見えるが、おそらく今回の『旨だしうどん』の中でもっとも強いインパクトを残すのは、この特製だしであろう。とにかく、だしに溶け出した肉の旨みが強烈すぎる。神戸牛そのものを飲んでいるかのようだ。まさに飲む牛肉。

つい先ほど神戸牛の質・量を絶賛したばかりだが、こうなるとなんかもう、だしとうどんだけでも十分な気がしてくるな。『旨だしうどん』の名に偽りなしの逸品であった。


が!


『旨だしうどん』の旨みに激しくヤラれながら、同時に私は深く後悔していた。正直に告白しよう。私は “とても大事なこと” を忘れて試食会にやって来てしまったのだ。悔やんでも悔やみきれぬ。我が一生の不覚である。ああ、この会場に到着する前、このうどんを食べる前に、せめて一杯だけでも……


飲んでくればよかった。

・真剣です

おそらく『神戸牛 旨だしうどん』は、飲んだ後のシメとして食べた時、そのポテンシャルを最大限発揮してくれるに違いない。メディア向けの試食会に酒を飲んだ状態で行くとかマジでドチンピラだが、このうどんの魅力をより深く理解するには必要なプロセスだったと思われる。

仕事帰り。軽くひっかけてから寄った丸亀製麺で食べる『旨だしうどん』は、きっとあなたの五臓六腑に染み渡ることだろう。値が張るので絶対食えとは言わないが、また明日も頑張るかと奮起できる、実に稀有なうどんであった。ごちそうさまでした。

参考リンク:丸亀製麺(PDF)
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.