日本で売られている『世界のカップヌードル パクチー香るトムヤムクン』。いかにも期間限定っぽい見た目と味なのに、今や発売から8年を誇るシリーズの人気商品だ。「世界のカップヌードル」ってことは、本場タイでも『カップヌードル トムヤムクン』が売られているということなのだろう。
果たしてタイの『カップヌードル トムヤムクン』は日本と同じ味なのだろうか? 個人的にはもう少しパクチーと辛みが増量されていると嬉しいんだけどな!? 私はイソイソと日本版をリュックに詰め込み、一路バンコクへ飛んだ!
・予想外の事態に
ところが……バンコク市内のスーパーを10軒以上巡っても……ない。
『トムヤムクン味』がどこにも売っていないのである!
10軒以上のスーパーを巡った結果、入手できたカップヌードルは6種類。中でも一番『トムヤムクン』に近そうなのは『トムヤム シュリンプ クリーミー』だろうか?
慌てて日本版パッケージをよく見ると、そこには「世界各地で親しまれている料理を再現」とある。つまり『カップヌードル トムヤムクン』は別にタイからの逆輸入ではなく、『トムヤムクン』を再現した日本独自の商品だったのだ……完全に勘違いしてた。
パッケージの時点で別モノであることはほぼ確定的。しかしここまで来た以上、食べ比べを敢行するしかないだろう。
と、その前に……
私がわざわざ日本から『トムヤムクン味』を持ち込んだ事実を証明するため、こちらの画像をご覧いただきたい。名物のタイ・ドナルドと一緒に!
こっちはチャトチャックマーケットにて!
日本大使館前でもパシャリ☆
・全6種類を食べ比べ
ふぅ……私が本当にバンコクまでカップヌードルを持ち込んだこと、これでお分かりいただけたかと思う。
なお成田空港の空港には『カップヌードル トムヤムクン』が山積みされており、ひょっとすると外国人にも人気なのかもしれない。
さ、それではこちらが今回タイで入手したカップヌードル。上段左から『MALA』『MOO MANAO』『TOM YUM SHRIMP CREAMY』下段左から『SEAFOOD CREAMY SOUP』『MINCED PORK』『TOM YUM SHRIMP PASTE CREAMY SAUCE』の全6種だ。各18バーツ(約67円)。
まず日本のカップヌードル トムヤムクンに一番近そうな『TOM YUM SHRIMP CREAMY』から。湯を入れた時点で別モノであることは完全に確定したが、まぁウマければいいのだ。
あ……でも見た目よりは似てるかも!? 辛さはあるものの、日本版で味の決め手ともいえるレモングラスの風味がない。あとココナッツミルクも、酸っぱさも、パクチーの風味も感じない……って、それ本当にトムヤムクンか!?
……などと生意気なことを感じてしまったが、日本人がトムヤムクンを論じるのもお門違いというものだ。タイではこれが “ザ・トムヤム味” なのかもしれぬ。
『MALA』はガチ中華。八角とか山椒が入った、詳細のよくわからない “ザ・中国人が作るスープ” って感じだ。辛さのレベルもガチ中華。いつまでもピリピリ感が舌に残る。
『MOO MANAO』(ムーマナオ)とは豚の薄切り肉をライムで味付けしたタイのソウルフードらしい。ピリ辛で爽やかなライムの味が清々しい! “かやくのキャベツの甘み” を感じるほど超薄味。日本人には少々物足りないが、朝食に向いているかもしれない。
『SEAFOOD CREAMY SOUP』は、ほぼ日本の『シーフード』と同じと考えてよい。あまりにも安定感があるため、初見では多くの日本人が「文句なしに一番ウマい」と感じてしまうだろう。タイで日本の味が恋しくなったらコレ!
日本のスタンダードな『カップヌードル』に一番近そうなのが『MINCED PORK』。ちょっとニンニクが強めだが、タイの屋台で食べるラーメンを彷彿(ほうふつ)とさせる。何の味かは分からないけどウマい。ウマけりゃ何でもOK!
最後の『TOM YUM SHRIMP PASTE CREAMY SAUCE』は変わりダネ。カップ焼きそばのごとく “湯切り口” が付いたカップヌードルである。粉末スープとペーストを混ぜ混ぜすると……
あ!!! 意外にもコレが日本の『カップヌードル トムヤムクン』に一番近い! 酸っぱみ、ほのかな甘み、ほどよい辛み……ウマい! タイっぽいカップヌードルを食べたいならコレである。日本へのおみやげにもオススメ。
ちなみに、タイのカップラーメンには基本的にフォークが付属している。また屋台で堂々とインスタントラーメンを使ったメニューが販売されているなど、日本とは違った独自の進化を遂げているのだ。タイへ行ったらインスタントラーメンコーナーをチェックする、これ旅の鉄則!