暑い! クソ暑い!! 2022年は7月から夏が本気を出している。今月頭なんて、立ち上る熱気に豆腐くらいしか喉を通らなかった。
というわけで、豆腐ばっかり食べていたら、うっかり近所のスーパーで売ってる豆腐を全制覇してしまったでござる。木綿豆腐については以前の記事で圧倒的にコスパが良い商品をお伝えしたが、絹ごしも味が全然違ったためお伝えしたい。
・絹ごし豆腐10種類
まず、近所のスーパー数軒に置いてあった絹ごし豆腐を以下にまとめたい。なお、スーパーのオリジナルブランドのものは除いているのと、価格は購入したスーパーの価格なので目安ととらえていただければ幸いだ。
おかめ豆腐「豆の味が濃いきぬ」税込139円
CGC「北海道産大豆ゆきほまれ氷温熟成絹」税込98円
菊田食品「濃旨」税込193円
丸昌商店「三代目五右衛門やわらこいきぬ」税込193円
さとの雪「美味しいとうふ絹ごし」税込214円
おとうふ工房いしかわ「究極のきぬ」税込215円
株式会社アサヒコ「大山阿夫利絹」税込140円
丸昌商店「豆腐を極めた職人の絹」税込118円
もぎ豆腐店「絹ごし三之助」税込307円
むつみ「白無垢 絹」税込204円
──以上、10種類。それにしても絹ごし豆腐って、豆腐専門店でもないただのスーパーでこんなに取り扱いが多いのか。これまで選ぶのが面倒でどこにでも売ってるおかめ豆腐一択だったから改めて見ると驚きの品揃え。逆に、豊富すぎて適切な豆腐にたどり着くのが難しそうですらある。最近のインターネットみたいだ。
・絹ごしの旨み
さて置き、全部食べた感想を述べると、おかめ豆腐はなかなかウマイことが分かった。木綿はいまいちだったのだが、絹ごしの場合、他のパッケージに高級感のある商品よりも美味しかったりする。ずっと食べてきた者としてこれは嬉しい誤算だ。
で、何がウマイかと言うと、まずパッケージに書いてある通り豆の味が濃い。醤油をかけずに食べるとハッキリ分かるのだが、後味で豆の風味が漂うものと、水っぽさの方が強く感じるものがあるのだ。
次に、食感がなめらか。固すぎず、だからと言ってシャバシャバなわけではなく、柔らかい舌触りはまさに絹。そして、その2点を基準に分けると、おかめ豆腐の上は3つしかない。それが以下である。
・ベスト3
丸昌商店「三代目五右衛門やわらこいきぬ」……水感が少なく濃密な豆のコク。なめらかさも高く、その舌触りはもはやクリーミー。
丸昌商店「豆腐を極めた職人の絹」……ふるふる揺れるような柔らかさがあり、食べるとホロホロと解ける。でも、豆のコクはあるので水っぽいという感じはしない。
おとうふ工房いしかわ「究極のきぬ」……豆の味の濃さがそのままでもウマイ。とろけるなめらかさにコクがある。
──上2つが丸昌商店であることは記事執筆の時点で見直して気づいたこと。冒頭でも述べた通り、うっかり全制覇してしまったもののため、食べている時は製造者とか気にしていなかった。ただ単に食べて、ウマさが印象的だったのがこの3つなのである。
恐るべし丸昌商店。見返してみると、丸昌商店は木綿豆腐編でも高評価だ。知る人ぞ知る豆腐の名メーカーなのかもしれない。
・改めて食べ比べ
高すぎる山々は、麓から見るとどちらが高いか分からない。だが、頂上が見えた気がした。8合目まで来た今ならトップ・オブ・スーパーの豆腐が分かるかもしれない。そこで改めてベスト3を食べ比べてみたところ……
王者・丸昌……!
豆のコク深さで言うと、ベスト3の中でさえ「三代目五右衛門やわらこいきぬ」と「豆腐を極めた職人の絹」が一段上に感じた。さらに、驚いたのは醤油と鰹節をかけて食べ比べた時。「三代目五右衛門やわらこいきぬ」は豆の旨みが醤油や鰹節に負けておらず、調味料のマッチ度が断トツだったのである。
というわけで、近所のスーパーで売ってる豆腐選手権マイベスト豆腐は「三代目五右衛門やわらこいきぬ」に決定した。明らかにウマイ。
ただし、1つ言うなら、「三代目五右衛門やわらこいきぬ」は内容量が少なめの250g。それでいて税込193円と、内容量350gの「豆腐を極めた職人の絹(税込118円)」より75円高い。つまり、コスパは圧倒的に「豆腐を極めた職人の絹」なのだ。どちらを選ぶかは好みによるだろう。
しかし、いずれにしても丸昌商店。全ての道が丸昌商店に収束していく。絹ごしを食べる限り、我々は丸昌商店の手のひらの上で踊るよりほかないのかもしれない。一体どんな商店なんだ丸昌商店! 調べるほどは気にならないが、見つけたら食べてみてくれ。
参考リンク:丸昌商店
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.